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2018 Feb. 8

展覧会あれこれ

「東京国立近代美術館」では、4月13日から5月27日までの期間、近代日本画壇の巨匠、横山大観の生誕150年、没後60年を記念し「生誕150年 横山大観展」が開催される。なお、6月8日から7月22日までは「京都国立近代美術館」で開催される。

生誕150年 横山大観展

明治から昭和にかけての代表作をはじめとして、新出作品やこれまでの展覧会では積極的に紹介されていなかった作品をも網羅した、大規模回顧展である。

横山大観は、西洋から様々なものや情報が押し寄せる時代の中、日本の絵画の伝統的な技法を継承しつつ、時に改変を試み、また、モチーフについても従来の定型を脱する自在な画風と深い精神性を備えた数々の大作を生み出した。

生誕150年 横山大観展

今回の展覧会では、その作品と習作・資料を合わせて展示し、制作の過程から大観芸術の本質に改めて探る。展示は「明治の大観」「大正の大観」「昭和の大観」の3章から構成される。

「群青富士」(右隻)
「群青富士」(右隻)

「群青富士」(左隻)
「群青富士」(左隻)

「明治の大観」は、理想や概念を絵にするいわゆる「理想画」、輪郭線を描かず絵画を組み立てる「朦朧体」、油絵のように絵の具を使うなど、様々な表現に挑んだ作品を展示。後の日本画を変革していく、バイタリティに溢れる大観の特質が浮かび上がる。

「白衣観音」
「白衣観音」

「大正の大観」では、東洋の伝統に新しい感覚を吹き込む画家として高い評価を受けた作品群が集められた。中国の水墨画や、琳派、大和絵などの技法や構図を継承しながらも、伝統に変化を加え続け「大観」という強い個性をまとった作品を観覧できる。

そして、大観といえば誰もが思い浮かべる代表作品を集めた「昭和の大観」では、作品をさらに精選し、時代にもたらした意味を掘り下げる。

この展覧会の見どころは、2作品同時に展示される機会は珍しいという、きらびやかな「夜桜」「紅葉」の共演。

「夜桜」(右隻)
「夜桜」(右隻)

「夜桜」(左隻)
「夜桜」(左隻)

「紅葉」(右隻)
「紅葉」(右隻)

「紅葉」(左隻)
「紅葉」(左隻)

そして、重要文化財に指定された40メートルを超える日本一長い絵巻「生々流転」では、山間に湧く雲が一粒の雨となり地へ流れて川へと、やがて海に流れ込み、龍の姿が躍る荒れ狂う海の水が雲となって天へと昇り、始まりへと戻ってゆく様が描かれる。雄大な物語を表し、大観の水墨技法をすべて注ぎ込んだ大作である。総出品数は約100点にのぼり、代表作に加えて習作や貴重な資料を展覧する大回顧展である。

重要文化財「生々流転」(部分)
重要文化財「生々流転」(部分)
重要文化財「生々流転」(部分)
重要文化財「生々流転」(部分)
重要文化財「生々流転」(部分)
全長40メートル超。日本一長い画巻に水の一生の物語を描く。スタートは山間に湧く雲。雲が一粒の滴となり、地に落ちて流れはじめる。川は周囲の山々や動物、人々の生活を潤しながら次第に川幅を増し、やがて海へと流れ込む。荒れ狂う海には龍が躍り、水はついに雲となって天へと昇る。そして物語は振り出しに戻る。大観の水墨技法のすべてがここに注ぎ込まれている。

広尾の「山種美術館」では、3月10日から5月6日までの期間、企画展「Sakura, Sakura, Sakura 2018/桜 さくら SAKURA 2018 美術館でお花見!」が開催される。

桜 さくら SAKURA 2018 ―美術館でお花見!

この企画展では、「桜」を題材に、近代作家によって描かれた絵画約60点が一堂に公開される。古くから日本人に親しまれてきた「桜」は、多くの画家たちにより、物語絵や風景画、花鳥画など多岐に渡るジャンルで描かれ、時代と共に多彩に表現されている。

小林古径「清姫」のうち「入相桜」
小林古径「清姫」のうち「入相桜」

桜の表情は、1日を通して見る者に異なる印象を与える。小茂田青樹の「春庭」は、日中に散り行く桜の様が描かれており、すっかりと桜の花びらで埋まってしまった小道からも、その儚い美しさが伝わってくる作品。

小茂田青樹「春庭」
小茂田青樹「春庭」

一方、千住博は、月夜に照らされた幻想的な「夜桜」を描いた。闇に映えるピンクの花びらは、昼間とは異なる艶やかな雰囲気。

千住博「夜桜」
千住博「夜桜」

国内名所の桜は、画家たちによって競演が楽しまれてきた。同じ桜を描いた絵画でも、作家によってその表現の手法は様々。

速水御舟「夜桜」
速水御舟「夜桜」

京都の桜を描いた奥村土牛作「醍醐」は、春の日差しを浴びて、爛漫と咲き誇る桜が描かれている。その柔らかな色使いや細やかにあしらわれた光のタッチは、風景画としての機能に留まらず、奥村土牛の繊細な感覚までもが伝わってくる。

奥村土牛「醍醐」
奥村土牛「醍醐」

今回の展覧会では、そんな「桜」を愛でる人々の様子を描いた作品も展示される。上村松園「桜可里」では、蕾を咲かせた桜の枝を手に、街を歩く着物の女性の姿が、松岡映丘「春光春衣」では、桜の木の下で美しい着物をまとった女性が描かれている。

上村松園「桜可里」 松岡映丘「春光春衣」
上村松園「桜可里」 松岡映丘「春光春衣」

「春光春衣」は、平安時代を彷彿させる華やかな色彩を使用。桜や人物の背景には、煌びやかに輝く金色をあしらっている。

最後は、チョイと先の話だが、7月31日から10月8日までの期間、「京都国立近代美術館」で、また、10月19日から12月16日までの期間、「東京都美術館」で、「没後50年 藤田嗣治展」が開催される。

没後50年 藤田嗣治展

1886年日本に生まれ、80年を超える人生の半分以上をフランスで暮らし、晩年にはフランス国籍を取得した、エコール・ド・パリを代表する画家の藤田嗣治。2018年は藤田の没後50年の節目に当たることから、フランスを中心とした欧米の美術館の協力のもと、大回顧展を開催する。

没後50年 藤田嗣治展

「没後50年 藤田嗣治展」は、展示される作品の質と量ともに史上最大級。制作年順に各時代を代表する「風景画」「肖像画」などのテーマを設けて、藤田作品への新しい視点を提案する。

肖像画

展示作品は、藤田の代名詞でもある「乳白色の裸婦」などの代表作をはじめ、初来日のものやこれまで紹介される機会が少なかったものなど、見どころが満載。その他作品などの詳細は、今後発表される予定。

 
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