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2018 Feb. 1

展覧会へGO!

「大阪市立美術館」で、4月17日から6月10日までの期間、特別展「江戸の戯画 鳥羽絵から北斎・国芳・晩斎まで」が開催される。

江戸の戯画 鳥羽絵から北斎・国芳・晩斎まで

「江戸の戯画展」は、滑稽な人物を軽妙なタッチで描いた「鳥羽絵」をキーワードに、江戸時代の戯画約280件を展示する特別展。鳥羽絵を洗練させた耳鳥斎(にちょうさい)の作品をはじめ、鳥羽絵から影響を受けたとされる葛飾北斎や歌川国芳らの作品を通して、江戸時代に描かれた様々な笑いの世界を紹介。なお、この展覧会は巡回の予定がなく、大阪会場のみでの開催となっている。

展覧会の最大の見どころは、歌川国芳の「金魚づくし」シリーズ全9作品すべてが、世界で初めて一挙に公開されること。江戸における戯画の名手としては、他に勝るものがいないとされる歌川国芳。その作品の中でも高い人気を誇る「金魚シリーズ」では、金魚たちがにわか雨の中で傘をさしたり、いかだに乗ったりする様子が、愛嬌あるタッチで描かれている。

歌川国芳「きん魚づくし ぼんぼん」
歌川国芳「きん魚づくし ぼんぼん」

歌川国芳「金魚づくし いかだのり」
歌川国芳「金魚づくし いかだのり」

歌川国芳「金魚づくし 玉や玉や」
歌川国芳「金魚づくし 玉や玉や」

歌川国芳「金魚づくし 百ものがたり」
歌川国芳「金魚づくし 百ものがたり」

鳥羽絵をキーワードとする今回の展覧会では、鳥羽絵を洗練させたと言われる大阪の絵師である耳鳥斎の作品も必見。略筆で描いたユーモアのある画風が人気を博し、その人気は近年まで続いた。鬼や亡者が繰り広げる滑稽な様子が描かれた代表作「地獄図巻」が出展される。

耳鳥斎「地獄図巻」(部分)
耳鳥斎「地獄図巻」(部分)

一方、葛飾北斎の戯画はあまり知られていないが、現代人が見ても十分楽しめるような作品が残されている。

謎かけを絵画化したシリーズや、躍動感溢れる人物を描いた「鳥羽絵集会」などが、「ベルギー王立美術歴史博物館」より里帰りして展示される。

葛飾北斎「鳥羽絵集会 魚頭観音」
葛飾北斎「鳥羽絵集会 魚頭観音」

葛飾北斎「鳥羽絵集会 お稽古」
葛飾北斎「鳥羽絵集会 お稽古」

葛飾北斎「謎かけ戯画集 鰻」
葛飾北斎「謎かけ戯画集 鰻」

さらに、北斎が描いた絵手本として知られる戯画的な要素を含んだ「北斎漫画」からも作品が出展される。

葛飾北斎「北斎漫画」九編
葛飾北斎「北斎漫画」九編

また、幕末から明治にかけて活躍した河鍋暁斎は、数え7歳の時から2年ほど歌川国芳の下で画を学んだ。のちに暁斎が描いた戯画には、国芳からの明らかな影響が見られ、ユーモアの感覚が受け継がれていることを見て取ることができる。

河鍋暁斎「風流蛙大合戦之図」
河鍋暁斎「風流蛙大合戦之図」

そして、「北斎漫画」を意識したとされる「暁斎漫画」などが制作されるなど、先人たちの戯画から多くを学んでいたことが分かる。今回の展覧会では、そんな「暁斎漫画」から、暁斎が好んで描いた蛙が登場する作品を見ることができる。

河鍋暁斎「暁斎漫画」
河鍋暁斎「暁斎漫画」

チョイと先の話だが、9月26日から12月17日までの期間、「国立新美術館」「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」が開催される。

ピエール・ボナール「猫と女性」
ピエール・ボナール「猫と女性」

ピエール・ボナールは、19世紀末から20世紀前半にかけてフランスで活躍した画家。ゴーガンの周囲に集まった若い画家達が結成した「ナビ派」の一員であったボナールの絵の平面的、装飾的な構成には、セザンヌの影響と共に日本絵画(浮世絵)の影響が見られる。一部の作品に見られる極端に縦長の画面は東洋の掛軸の影響と思われ、人物やテーブルなどの主要なモチーフが画面の端で断ち切られた構図は、伝統的な西洋美術には見られないもので、浮世絵版画の影響と思われている。躍動的で装飾性に富む作品を生み出したボナールは、「色彩の魔術師」「日本かぶれのナビ」とも呼ばれた。

Pierre Bonnard/Self-portrait
Pierre Bonnard/Self-portrait

ボナールの画面は1900年頃からそれまでの茶系を主調とした地味なものから、暖色を主調にした華やかな色彩に変化する。ボナールの華麗な色彩表現は、印象派とも日本の版画とも一線を画す、彼独自のものである。

今回の「ピエール・ボナール展」は、パリの「オルセー美術館」の特別協力を得た大規模な回顧展。「オルセー美術館」のコレクションを中心に、140点以上の作品が集結。絵画はもちろん、素描や版画、写真など多岐にわたる作品を通じて、謎多き画家ボナールの魅力に迫る。

グラン・ランの庭で煙草を吸うピエール・ボナール
グラン・ランの庭で煙草を吸うピエール・ボナール

会場では、ボナールの作品をテーマ別に俯瞰できる章構成になっており、「日本かぶれのナビ」と題した章では、浮世絵のように平坦な色面構成を用いた作品や、掛け軸風の縦型作品などを通じて、日本美術がボナールに与えた影響を明らかにする。

ピエール・ボナール「庭の女性たち」
ピエール・ボナール「庭の女性たち」
ピエール・ボナール「庭の女性たち」

続く「ナビ派時代の版画作品」では、ボナールを一躍有名にしたリトグラフによるポスターや版画集を紹介する。

ピエール・ボナール ジュール・ルナール「博物誌」表紙挿絵 エルネスト・フラマリオン
ピエール・ボナール ジュール・ルナール「博物誌」表紙挿絵 エルネスト・フラマリオン

コダックの手持ちカメラで撮影した日常のスナップ写真から創造のプロセスを探るのは「スナップショット」。「近代の水の妖精たち」では、ボナール絵画の代名詞「浴室の裸婦」に色彩や構図などの独自性を見出すことができる。

ピエール・ボナール「身づくろい」
ピエール・ボナール「身づくろい」

ピエール・ボナール「浴室の中の裸婦」
ピエール・ボナール「浴室の中の裸婦」

「親密さ」をテーマに室内画を紐解く「室内と静物」「時間の静止」や、ボナールが滞在したノルマンディー地方などで描かれた風景画を紹介する「ノルマンディーやその他の風景」が続き、最後は晩年を過ごした南仏ル・カネの風景を中心に、色彩に溢れた「終わりなき夏」とも言うべき作品群で締めくくる。

ピエール・ボナール「ル・カネの食堂」
ピエール・ボナール「ル・カネの食堂」

3月23日から4月8日までの期間、「東京国立近代美術館」では、桜が描かれた名作と新収蔵品が同時公開される「美術館の春まつり」が開催される。

美術館の春まつり

所蔵作品展「MOMATコレクション」では、華やかな花を描いた日本画が展示される。

桜を描いた名作、川合玉堂「行く春」(重要文化財)、菊池芳文「小雨ふる吉野」の他、昭和初期に日本画の革新運動をすすめた船田玉樹の代表作「花の夕」が所蔵後初公開。

川合玉堂「行く春」右隻
川合玉堂「行く春」右隻

川合玉堂「行く春」左隻
川合玉堂「行く春」左隻

菊池芳文「小雨ふる吉野」左隻
菊池芳文「小雨ふる吉野」左隻

菊池芳文「小雨ふる吉野」右隻
菊池芳文「小雨ふる吉野」右隻

船田玉樹「花の夕」
船田玉樹「花の夕」

さらに、岡倉天心らによって創設された日本美術院創立120年特集として、菱田春草、安田靫彦、速水御舟、小倉遊亀、平山郁夫らの代表作も展示される。

また、ガイドスタッフと参加者が対話しながら作品の鑑賞ができる所蔵品ガイドを、毎日14時から実施。さらに、4月1日の無料観覧日には、年に1度の特別企画「春まつりトークラリー」が開催。スタンプラリー方式で作品を鑑賞する特別プログラムで、スタンプを3つ以上集めると特製カンバッヂがプレゼントされる。

期間中、「東京国立近代美術館」前庭に床几台が並び、桜を眺めながら休憩が可能。

休憩が可能

レストラン「ラー・エ・ミクニ」では、特製お花見弁当なども販売予定。また、ミュージアムショップでは、オリジナル商品のほか、千鳥が淵の桜の枝で染色したスカーフやコースターなどが期間限定で販売される。

ラー・エ・ミクニ

 
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