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2017 Apr. 13

ノスタルジックカー

まだ運転免許を持っていなかった若かりし頃、友人のクルマに同乗させてもらってドライブをしていた。ちょうど海岸線を走っている時、海に張り出した駐車場にひっそりと佇んでいる、太陽の光にボディがキラキラ反射している1台のクルマに目が留まった。

スカイラインC10型

「何て美しいクルマだ…」と、その優美な造形に目を見張った。それが、スカイラインC10型。「愛のスカイライン」、俗っぽい呼称では「ハコスカ」。「スカG」のシルバーグレーのGTXハードトップが、そのクルマの正体であった。免許を取得したら絶対にこのクルマに乗ろう!と、そのクルマから放たれている神々しさにも似たオーラに感動した若き日の私は心に誓ったものだ。

スカイラインC10型

その後、念願叶って、憧れの「スカG」が愛車となった。親のスネかじりの学生の身分で、ましてや運転初心者のクルマにしては随分贅沢なクルマだと心の片隅で多少は感じていたもので、せめて中古車にする分別のある良い子であった。とはいえ、その頃にはスカイライン3代目の「ハコスカ」はモデルチェンジしており、すでに4代目「ケンとメリーのスカイライン」に変更になっていた頃なので、希望の「ハコスカ」は中古車しかなかったというのが本当のところである。

スカイラインC10型

ただ、希望通りのクルマに乗りたくて、頑なまでに妥協をしなかったため、納車までにはけっこうの時間がかかったことを記憶している。当時、ノーマルの「2000GTX」のシルバーのハードトップ5速マニュアル仕様、それも程度の良い中古車は案外少なかった。1度、オートマチック車なら…と勧められたが、いや、ミッション車でなければダメ…と、断ったことが、後々後悔するはめになったことはこの時点では知る由もなかった。

若かりし頃の生意気盛りの若造にとって、オートマ車なんてジジイが乗るクルマやんってな感じだった。

スカイラインC10型

余談ながら、当時は2000GTシリーズのオートマの方が希少だったようだ。

やっとのことで納車された「「2000GTX」は、ずっと憧れていた期待通りの素晴らしいクルマであった。そして、お気に入りのクルマでドライブに勤しむ能天気な日々が続いた。また、親に買ってもらったということもあり、開業医だった母の往診のときの運転手も嫌な顔をせず引き受け、世間的には良くできた息子さんでもあった。ま、本音はクルマに乗れればよかっただけの事なのだが…。

当時の「スカG」は、パワーステアリングでもなく、クラッチもやたらと重い、言わば小さい戦車?みたいなクルマだった。

スカイラインC10型

その頃は東京で大学生活を満喫しており、長期休日の度にクルマで故郷の徳島まで往復していた…若かったあの頃…。高速道路や故郷の道路を突っ走るには何の文句もないクルマだったが、東京の渋滞ではホント難儀なクルマだった。

「スカG」に搭載された、「フェアレディZ」などにも採用されていたL20SUツインキャブレター仕様エンジンは、力強いが瞬発力には多少ドン臭いところがあり、渋滞時のストップ&ゴーには適さなかった。そして、クラッチが重い。で、ハンドルも重いときたもんだ…まぁ〜疲れるクルマだった。次のクルマは絶対オートマや…と、購入時に営業のオッチャンおススメのオートマ車を若気の至りで選ばなかった事が悔やまれたものだ。

スカイラインC10型
スカイラインC10型

その後、その愛車には非業の運命が待っていたのだが、それはまた別の機会でお届けするとして、結局、スカイラインは、真っ赤の「スカイライン・ジャパン」から初のDOHCエンジン搭載の「RS」へと3台乗り継ぐこととなるが、長年乗った「2000GTX」は、けっこう気に入ったクルマで、今でも記憶に残る恋人って感じである。

スカイラインC10型

スカイラインは青春時代をともに過ごしたパートナーのような存在である。懐かしさと一緒に数多くの思い出が詰まった、私にとっては至極の1台と言えるクルマである。

そんな「スカイライン」の誕生60周年を記念したイベント「スカイライン タイムライン」が、4月21日から4月24日まで六本木ヒルズアリーナで開催される。

スカイライン タイムライン

60年前の1957年4月24日に初代が発売された「スカイライン」。これまでに現行を含め13モデルが登場し、多くの人々の人生を彩ってきた歴史ある日本車の1台である。

初代スカイライン(ALSI系)-1957年
初代スカイライン(ALSI系)-1957年

2代目スカイライン(S50系)-1963年
2代目スカイライン(S50系)-1963年

3代目スカイライン(C10型)-1968年
3代目スカイライン(C10型)-1968年

4代目スカイライン(C110系)-1972年
4代目スカイライン(C110系)-1972年

5代目スカイライン(C210系)-1977年
5代目スカイライン(C210系)-1977年

6代目スカイライン(R30型)-1981年
6代目スカイライン(R30型)-1981年

7代目スカイライン(R31型)-1985年
7代目スカイライン(R31型)-1985年

8代目スカイライン(R32型)-1989年
8代目スカイライン(R32型)-1989年

9代目スカイライン(R33型)-1993年
9代目スカイライン(R33型)-1993年

10代目スカイライン(R34型)-1998年
10代目スカイライン(R34型)-1998年

11代目スカイライン(V35型)-2001年
11代目スカイライン(V35型)-2001年

12代目スカイライン(V36型)-2006年
12代目スカイライン(V36型)-2006年

13代目スカイライン-2014年
13代目スカイライン-2014年

このアニバーサリーを祝おうと、開催される「スカイライン タイムライン」の会場では歴代13代の「スカイライン」が展示されるほか、歴代「スカイライン」をモチーフにしたラバーストラップのカプセルトイの販売、また、「過去と未来へのタイムトリップが楽しめる」というフォトスタジオなどが用意され、タイムスリップをコンセプトに「スカイライン」のある過去と未来の風景に「飛び込んだ」写真が撮影できるという。

過去と未来へのタイムトリップが楽しめる
過去と未来へのタイムトリップが楽しめる

そして、六本木ヒルズのほかに、横浜市の日産グローバール本社ギャラリーでは5月31日まで、現行と歴代のスカイラインの展示とともに、「スカイライン」の歴史を紹介。

さらに、銀座の「NISSAN CROSSING」でも同じく5月31日まで、デザイン検討に使用したスケッチ画が並び、歴代をモチーフにした特別マキアートの提供、また、4月22日から3日間限定でのクイズラリーも開催される。

特別マキアート

さまざまな会場で開かれるイベントに参加して「スカイライン」の「還暦」ともいえる特別な年を祝いたいものである。

ちなみに、昔観た映画に登場し、今でも強烈なイメージとして脳裏に焼き付けられているクルマが何台か存在する。

その中で、ひじょうにマイナーな映画で、1967年公開のジョン・フィリップ・ロー主演「Diabolik/黄金の眼」に登場したクルマも思い出深い1台だ。人気コミック漫画を原作にしたこの「黄金の眼」という映画は、非常にクールな天才的大泥棒で、ハンサムな怪盗ディアボリークを主人公にしたアクション映画。

Diabolik

オープニングからカラフルな煙幕をクルマから吐き出し、真っ昼間の埠頭で銀行へ輸送する10億ドルの現金を警察から強奪したディアボリークが、追ってくるヘリコプターと激しい銃撃戦を繰り広げながら逃走し、トンネルで待っていたブロンドの美女エヴァと合流、きわどいスリップの入ったドレスを着たエヴァが仮面で隠されたディアボリークのマスクを剥ぐと、そこにはハンサムなジョン・フィリップ・ローの顔が現れるという演出。

Diabolik

その2人が乗っていたクルマが白の「Jaguar E-Type」。その滑らかなボディラインに魅了され、世の中にはこんなにキレイなクルマがあるんだなぁ〜と、幼い心が鷲掴みされたものだ。

Jaguar E-Type
Jaguar E-Type

さすがに、昔の事だから記憶は曖昧だが、劇中には白と黒の「Jaguar E-Type」が登場したような気がする…。

Jaguar E-Type
Jaguar E-Type

「Jaguar E-Type」は、1961年のジュネーブショーで華々しいデビューを飾った。美しいボディラインのみならず、当時としては夢のような最高時速240km/hを標榜し人々の憧れの的となり、その魅力はクルマの世界を超えて、世界中に衝撃を与えた。

「Jaguar E-Type」特有のプロポーション、佇まい、そして、ピュアなライン。その美しさが認められ、「ニューヨーク近代美術館」に常設展示されてる。幼い頃から自分の審美眼は間違いなかったようだ(自画自賛)。

Jaguar E-Type

「Jaguar Land Rover」が1960年代製造の「Jaguar E-Type」を完全レストアし、4月9日までドイツのエッセンで開かれていた世界最大のクラシックカーショー「テクノ・クラシカ・エッセン 2017」において「E-Type Reborn」として世界初披露。

Techno-Classica Essen 2017
E-Type Reborn
E-Type Reborn

「Jaguar」初となる専門技術者がパーツを調達し、全面的にレストアする「Reborn/リボーン」シリーズとして発表された「E-Type Reborn」。今後10台のみが「Jaguar Classic」の技術者の手により修復され、販売されるという。

なお、「Jaguar Land Rover」ではすでに今年2月、1978年製の「Range Rover」を甦らせ、「Reborn」シリーズの第1弾として「Land Rover Classic Range Rover」を発表している。

Land Rover Classic Range Rover
Land Rover Classic Range Rover
Land Rover Classic Range Rover
Land Rover Classic Range Rover

「E-Type Reborn」のベースとなった「E-Type」は、1961年に発表。ジェット機から着想を得たというボディラインが特徴となり、最高速度約240km/hを記録。誕生から半世紀以上を経てもクラシックのロードカーとして高い人気を誇っている。パワーユニットは、3.8リッターエンジンもしくは4.2リッターの直列6気筒ガソリンエンジンで、4段マニュアルトランスミッションが組み合わされる。

E-Type Reborn
E-Type Reborn
E-Type Reborn

「E-Type Reborn」は、1961-1968年に製造された初代「シリーズ1 E-Type」から厳選された10台を使用。「テクノ・クラシカ・エッセン 2017」に展示された車両「オパレセント ガンメタル グレー シリーズ1 4.2フィックスヘッドクーペ」は、1965年に米国に輸出された後、1983年に保管されるまで7万8,000マイルを走行したという。

レストアを行うのは経験豊富で、熟練の技をもつ「Jaguar Classic」のエンジニア。1960年代当時のオリジナル仕様に従うと同時に、Jaguar Classic パーツのみを使用して完全なレストアを施した。

E-Type Reborn
E-Type Reborn
E-Type Reborn
E-Type Reborn

また、購入者の要望に応じて冷却装置やオールシンクロメッシュのギアボックスなど、初代後期に設定されていたものを装着するアップグレードもオプションで可能という。

価格は28万5,000ポンド(約3,933万円)からで、仕様によって価格が異なるのは仕方のないことである。きっと、古き佳き時代を懐かしむセレブが発注するんだろうなぁ〜。

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