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2016 Oct. 7

アートとファンタジー

古来、天然の美しい塗料として、あるいは、接着剤や保護膜として用いられ、今日まで豊かな造形と意匠を生み出してきた「漆/うるし」。

10月8日から12月11日までの期間、二子玉川の「静嘉堂文庫美術館」において、「漆芸名品展 うるしで伝える美の世界」が開催される。

静嘉堂文庫美術館
静嘉堂文庫美術館

今回の展覧会では、館蔵の日本・中国・朝鮮・琉球等の漆芸品から優品を精選し、10年ぶりに公開。静嘉堂の漆芸コレクションは、飲食器や文房具、調度品などのほか、天目台や盆・棗(なつめ)・香合といった茶道具、多数の印籠も含んでおり、幅広く、豊かなラインナップが特徴。

重要文化財 尾形光琳 「住之江蒔絵硯箱」
重要文化財 尾形光琳 「住之江蒔絵硯箱」

国宝「曜変天目(「稲葉天目」)」と付属「黒漆天目台」
国宝「曜変天目(「稲葉天目」)」と付属「黒漆天目台」

重要文化財「油滴天目」と付属「花卉堆朱天目台」
重要文化財「油滴天目」と付属「花卉堆朱天目台」

名物 唐物茄子茶入 左)「松本茄子」右)「付藻茄子」
名物 唐物茄子茶入 左)「松本茄子」右)「付藻茄子」

各時代・各地域で作り出された漆工芸の世界を一堂に鑑賞できる絶好の機会である。

なかでも、近年修理を終えたばかりの、色調も明るく甦った近世初頭における漆芸の傑作で、重要文化財の「羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風」もあり、今回、修理後初の公開となる。漆芸の各種技法を駆使し、絵画的表現にも迫る本作は、漆にはない白色を得るために、一種の油絵のような技法も用いている。作者、制作背景ともに不明という、ミステリアスな大作に注目したいものだ。

重文「羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風」 左:羯鼓催花 右:紅葉賀図
重文「羯鼓催花・紅葉賀図密陀絵屏風」 左:羯鼓催花 右:紅葉賀図

最近、市議会の政務活動費不正問題で何かと世間を騒がせている富山県。チョイと変なイメージが定着しそうな雰囲気だが、そんなことはさておき、1981年に、富山県置県100年記念事業として旧富山刑務所跡に整備された城南公園の一角に設立された「富山県立近代美術館」は、白御影石とミラーガラスに囲まれたシンプルな外観に広い展示空間で、多くの人に親しまれてきた。

富山県立近代美術館
富山県立近代美術館

美術館の常設展示は、パブロ・ピカソ、ロートレック、ルオー、シャガールなどの作品のほか、シュルレアリスム作家の作品を中心としたコレクションで有名。これまでも有数のアートコレクションを紹介してきた。

しかし、2017年8月26日に富山駅北側の富岩運河環水公園西地区に、名前を新たに「富山県美術館」として新築移転し、アートとデザインという2つの大きな軸で展開していくこととなり、現美術館は2016年12月28日をもって移転準備のため閉館するになった。

新しく誕生する「富山県美術館」は、運河の記憶を残す公園の一角に、巨大な船のような造形の外観で建設される。

富山県美術館
富山県美術館

建物の東向きの一面は、全てガラスで覆われ、開放的な空間となる。屋上には、芝生広場が広がり、「ふわふわ」「ぐるぐる」「ひそひそ」「ぽこぽこ」「つるつる」など、たくさんの「擬音語」と「擬態語」を包括的に指した「擬声語」を意味するフランス語「オノマトペ」で溢れた遊具が、子どもたちの想像力の源になりそうだ。アートとデザインで未来へと想像力、創造性を繋いでくれること間違いない。

富山県美術館

なお、設計を手掛けるのは内藤廣。三重県鳥羽市にある「海の博物館」の設計で日本建築学会賞、第18回吉田五十八賞、芸術選奨新人賞美術部門などを受賞、また、「牧野富太郎記念館」で第13回1999年度村野藤吾賞を受賞。

内藤廣

国土交通省東日本大震災復興都市デザイン検討会委員、岩手県津波防災技術専門委員会委員などを務め、新国立競技場国際デザイン・コンクールなど、各コンペティションで審査員、及び審査委員長を歴任する人物である。

「富山県美術館」の新しいロゴマーク及びロゴタイプの制作は永井一正が担当。「TOYAMA」の頭文字「T」をベースにAとDで構成。白く輝く立山が映える空の色と、富山湾の深いブルーをイメージしている。

富山県美術館

富岩運河環水公園では、2016年10月8日から9日にかけて、新美術館をプレ体験できるイベントとして「ART PICNIC!」を開催。アートマーケットやワークショップの開催、ダンスやラップミュージックが披露されるので、ぜひ足を運んでみてほしい。

また、今日からJR大阪駅北側の「うめきた」エリアに、花と緑のテーマパーク「うめきたガーデン」がオープン。期間は、2017年3月20日まで。

うめきたガーデン

名高い英国の「チェルシーフラワーショー」で5年連続でゴールドメダルを受賞した、世界一の庭園デザイナー石原和幸を迎え、約7,500uもの敷地面積を誇るエリアを舞台に、緑と花の溢れる庭園が製作された。

ちなみに、「チェルシーフラワーショー」は英国王立園芸協会が主催し、毎年5月にロンドンの南西部にあるチェルシーで開催される世界で最も権威のあるガーデンショー。

Chelsea Flower Show

ロイヤル・チェルシー病院の広大な敷地内に、約500の出展者による庭園が出展され、期間中は15万人以上の人々が訪れる。3つの部門からそれぞれゴールド、シルバー・ギルト、シルバー、ブロンズの各賞が選ばれる。

Chelsea Flower Show

石原和幸は、22歳で生け花の「池坊」に入門。以来、花と緑に魅了され路上販売から店舗、そして、庭造りをスタート。その後、苔を使った庭で独自の世界観が国際ガーデニングショーの最高峰である「チェルシーフラワーショー」で高く評価され、 2006年から3年連続金メダル受賞、 また、2012年から5年連続でアーティザンガーデン部門で金メダルを獲得。

石原和幸

さらに、部門内1位に贈られるベストガーデン賞とのダブル受賞も果たした。そして、2016年大会では全出展者から選出される最高賞のプレジデント賞を受賞している。

敷地内には、「未来の大阪」をテーマにしたメインガーデンと、「うめきた」用にアレンジされた「千里千庭ガレージガーデン」を用意。オープン後は、イベント広場にて「食」のイベントなどを随時開催する。

石原和幸
うめきたガーデン

スタートより実施されるイベントは、手芸・工芸・クラフトなどのワークショップやグルメイベント「逸品縁日」といったラインナップ。特に「逸品縁日」は、10月7日から10月23日の期間実施され、茨城「手作りハム焼き」、兵庫「香住のイカ焼きそば」、香川「讃岐コロッケ」などが登場する。大阪梅田のど真ん中で、美しい花々とともに日本各地の「美味しい」が楽しめるイベントである。

日本橋室町の「福徳の森」では、世界初、自然現象である「流れ星」と連動する体験型イルミネーションイベント「NIHONBASHI 願いの森」が、11月25日から2017年1月9日までの期間、開催される。

NIHONBASHI 願いの森

リアルタイム流星観測システム「Meteor Broadcaster」を使用して、「流れ星」が出現した時刻や発生時間・大きさ・活発度と連動し、イルミネーションに変化を起こす自然現象×テクノロジーによる演出が斬新である。

東京上空では、実際に目で見ることは困難だが、10〜15分間隔で「流れ星」が通過しているという。会場には、「願いディスプレイ」を設置し、「流れ星に願いを3回唱えると願いが叶う」という言い伝えにあわせ、「流れ星」出現時に特設サイトから投稿された願いを3回表示する演出を行う。

NIHONBASHI 願いの森

また、願いを投稿したスマホ等の端末には、周辺施設で利用できるクーポン「流星のかけら」がプレゼントされ、「流れ星」と森と人がリアルタイムに連動し合う。

NIHONBASHI 願いの森

なお、期間中、12月には「ふたご座流星群」、1月には「ぶんぎ座流星群」のタイミングにあわせた特別イベントも行う予定。イベントの詳細や周辺施設での連動企画については、後日発表予定。

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