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2016 Jul. 18

星のや 東京

世界中どこを旅しても、その国を代表する美しい地には、最高の時間を提供するリゾートが存在する。その地の自然・文化と融合し、プライバシーを重視した贅沢なスペースと時間が設計され、食事にもサービスにも最上級のおもてなしの心が通う。日本にもそうした豊かさを提供するリゾートは数多く存在する。

世界中の旅行者に、上質の「おもてなし」で知られる「星のや」。星野リゾートの日本旅館「星のや 東京」が、7月20日に東京の大手町にオープンする。

星のや 東京

江戸時代には徳川家康を支えた酒井家の上屋敷があり、大手門、神田橋も近い一等地。現在は、金融の中心地でもあるロケーションに「日本旅館」が誕生する。

地域に元々あるモノやコトを素材にして、宿の魅力を創り続けてきた星野リゾートが、発想を転換し、東京の真ん中に何が必要かを思い描いた時、「日本旅館」という発想に辿り着いた。元々あったモノがなくなってしまった東京に、「日本旅館」が必要だと今は誰も思っていない現状に、たった1つ残っていたとしても不思議ではない。それが可能なのは、「日本旅館」が「西洋ホテル」以上に快適で機能的であるために進化し続けたからに他ならない。

「もう1つの日本」、これは星野リゾートが「星のや 軽井沢」創業時に設定したテーマ。日本が捨てなくても良い日本らしさを捨てずに近代化していたら、どんな日本になっていただろう…という空想の世界。進化した「日本旅館」がしっかりと残っている東京、それは、星野リゾートが2016年に提案する「もう1つの日本」である。

星のや 東京

内装設計及び外観デザイン協力は、東環境・建築研究所の代表である東利恵が担当。4つの「星のや」を手掛けてきた東をはじめとする「星のや」デザインチームと、大規模建築設計を得意とする三菱地所設計、NTTファシリティーズチームがそれぞれの得意分野を生かして一丸となり取り組んだ。

星のや 東京

今回の意欲的な事業のコンセプトは首都東京に旅館を作ること。東京にあるべき「日本旅館」を「星のや」流にどう表現するかが重要なテーマであった。まず、「日本旅館」という文化を「靴を脱ぐ」という行為を通じて象徴的に表現したいと、玄関で靴を脱ぎ、畳を踏みしめながら客室に案内されるというプロセスは大事な文化的な経験と考えた。

星のや 東京

客室は畳での新たな寛ぎを提案した造りであり、現代の生活にあわせた快適性も兼ね備える部屋としてデザインされ、客室に限らず、パブリックエリアを含め、日本的な寛ぎ方を提案する空間が幾つも準備された。

外観は江戸小紋のモチーフをイメージしデザイン。江戸小紋は、遠目では模様が分かりにくいが、接近すると模様が艶やかに浮き立つ。この江戸時代に生まれた日本らしいデザイン表現を外観に演出。全体としてはオフィス街の中にそっと置かれた繊細な重箱のように、その足下に立つと、その模様がより立体的に浮き立つような「星のや 東京」。新しい東京の旅館スタイルを発信する。

星のや 東京
星のや 東京

環境設計は、オンサイト計画設計事務所代表の長谷川浩己が、三菱地所設計と協同で担当。都心のビル一棟から成る「星のや 東京」は、今までの「星のや」のような広がりを持った敷地の中でのランドスケープデザインとは異なり、都市広場の一角として完全にパブリックな場を形成する。

星のや 東京

そのため、長谷川は「星のや」という空間への玄関口として相応しい佇まいをつくりながら、いかにその存在が東京の新しい都市風景に貢献できるかをデザインの基点と考えた。どこであっても立地する場所の魅力に繋がっているのが「星のや」であり、東京では小さい敷地でも大都会に開かれた空間としての魅力となっている。

星のや 東京

超高層ビルが建ち並ぶ一画に一気に違うスケール感の庭のような世界を持ち込みつつ、その世界自体が同時に公共の広場の一部として都市風景の拠り所となることを目指しており、4種類の帯が幾重にも敷き詰められたようなパターン、小さいけれど密度のある樹々、小舟のようなベンチや花入れのようなプランターなど、小さなものたちの集積が「星のや」の周りを空気のように覆う。こだわったのが、その1つ1つが工芸品のようなクオリティ。京都の植彌加藤造園による美しい舗装、エイペクスによる精緻なベンチの造作、これらすべての技が集結することで日本の宿としての質感を演出する。

そして、現代の質や、東京の大手町という場所を意識しつつも、「日本旅館」のイメージを感じられるように迎え入れる光、一息つく光、滞在する光、語らい合う光などの照明デザインを考えたのが、ICE都市環境照明研究所所長の武石正宣と三菱地所設計のコラボ。

外装は麻の葉をモチーフにした抜き型で覆われたファサードを、グラデーションで包むようなアッパーライトで建物を浮かび上がらせた。さらに、エントランス空間では、どこか提灯をイメージするような立体造形を行った和紙のペンダントと、市松模様のように照明を配置した造作壁で客を迎え入れる。

星のや 東京

また、プライベートな空間である客室では、落ち着きのある和の空間を演出。障子越しの間接照明で照らす部屋までの畳廊下。室内では天井に間接照明を取り入れながら、行灯をイメージした江戸小紋の矢羽根柄スタンドライトにより、低い位置からの光で落ち着いた照明が癒しを与える。

星のや 東京

吹き抜けが特徴的な露天風呂では、壁面からの間接光を当て、上を見上げながら一息つける空間を作り出す。旅館本来の、滞在する、逗留するといった、長い時間を過ごしても、落ち着いた時間の過ごせるような和の光をベースとした照明デザインに仕上っている。

「日本旅館」は、泊まり客だけのごくプライベートな空間だ。清められた簡素な玄関では、そっと生けられた花やほのかな香の薫りが引き立つ。履物を預ければ、客人も家人のように、裸足のまま館内で自由に憩える。限られた必需品と、清潔な寝具だけが整えられた清々しい客室、大きく深い湯船が配された浴室、「星のや 東京」では、日本らしい安らぎのためにすべてが誂えられている。

星のや 東京

そして、古来より受け継がれてきた日本の楽しみの1つは、季節の移り変わりを愛でること。それぞれに名をつけて暦にすること七十二侯。気候、風土に敏感な国民性を生かし、「日本旅館」ではいつも今日をいかに今日らしく楽しんでもらえるかを考えながら客を迎える。今日の美しさは、室礼、お茶、料理、酒、香り、客の五感に触れるすべてに宿るものである。

星のや 東京

「星のや 東京」は、各階に専用の「お茶の間ラウンジ」が設えられており、客室の居間として畳続きの客室から自由に行き来できる。コンパクトな客室は、寝室として肌に心地よい特別な綿の寝具と、ゆったりと浸かれるバスタブを配し、誰にも邪魔されない一時を快適に過ごせる。居間となる「お茶の間ラウンジ」では、読書やデスクワークに勤しんだり、お茶やお酒も楽しめ、滞在の中心となること間違いない。

お茶の間ラウンジ

また、各階の「お茶の間ラウンジ」には、小さなライブラリとデスク、ソファが揃えられ、ここでは「星のや」が見つけた日本の佳いものが紹介される。滞在中、気候を鑑み、今日この一時に最適のお茶、珈琲、お酒、お菓子などでもてなされる。味わいのみならず、日本の素晴らしさを居合わせた客と共に楽しむのも「日本旅館」の醍醐味といえる。

お茶の間ラウンジ
お茶の間ラウンジ
お茶の間ラウンジ

日本伝統の建築様式を大切にした現代的な畳の客室は、3タイプ(菊/百合/桜)が用意されている。店員3名の「菊」は、南向きの角部屋で、障子越しに和らかな光が差し込む。「百合」「桜」のほぼ倍の面積の広い客室。ダイニングテーブル、小さなデスク、足をのばして寛げるソファが設えられ、長期滞在にもピッタリ客室。日本らしい深い浴槽と洗い場のある浴室では、風を感じながら入浴を楽が楽しめ、寝台にはシングルサイズの布団を3枚並べることができる。

菊
菊

そして、「百合」「桜」は、竹素材のクローゼットや障子が特徴的な日本伝統の和室。浴室には浴槽と洗面台、独立したシャワーブース。「桜」は、「お茶の間ラウンジ」の近くに位置し、「日本旅館」らしく居間と寝室を何度も自由に行き来して楽しみたい部屋で、ツイン、ダブルの2種類がある。「百合」はダブルベッドの角部屋で、よりプライベート感を重視した滞在に最適の部屋。

「百合」「桜」
「百合」「桜」
「百合」「桜」

日本中の美味しいものが集まる東京。その東京の美食を、もちろん館内でも楽しめる。「星のや 東京ダイニング」では、2004年ボキューズ・ドール国際料理コンクールの日本大会で最年少優勝した料理長の浜田統之が、日本の食材を追求するなかで出会った新しい食材の、五味と旨みを引き出した料理を提供する。

浜田統之
星のや 東京ダイニング
星のや 東京ダイニング

江戸時代より重ねてきた地層を思わせる空間で、新しい日本旅館の料理を堪能する悦び。また、隣接する「グランキューブ」は地下で繋がり、気軽に出掛けることも可能。

さらに、東京の真ん中で体験する温泉湯治も特徴の1つ。内風呂の奥に、ぽかんと空いた暗闇を進むと露天風呂が広がってくる。高く見上げる天井には、刻々と移ろう空の風景。青の深さや雲の佇まいにすら季節を感じられる。宿泊者限定の温泉で、いつでも滞在着のままフラりと訪れ、日本の中心地に湧き出る温泉を楽しめる。

星のや 東京
星のや 東京

ちなみに、2014年7月に掘削され都心に沸きでた恵みの湯「大手町温泉」は、強塩温泉のため、体の保温効果が高く、きりきず、抹消循環障害、冷え症などに効果ありとのこと。しっとりと肌になじみ、疲れた体を芯から癒す、新たな活力を生み出す温泉である。

女性客には「スパ」が用意されており、それぞれの目的にあった、美しく健康な身体づくりを提案するプログラムと、ストレッチや温泉指南、オイルトリートメントを組み合わせたメニューがラインナップ。まさに、至れり尽くせりである。

スパ

また、「星のや 東京」近くで楽しめるアクティビティも充実しており、江戸の伝統工芸を体験したり、古地図歩き、「星のや」専用船でも川下りなど、「EDO」を堪能し尽くせる様々なプログラムが用意されている。

アクティビティ
アクティビティ
アクティビティ
アクティビティ

「日本旅館」では、宿それぞれに、歴史、伝統、技、美意識、創造力と趣向を凝らし客を迎える。無駄のない小さな空間を磨き上げ、「おもてなし」を随所に散りばめ、細部まで創り上げられた、宿それぞれの独自の世界。「日本旅館」に身を置くと、何時とはなく、日常から解き放たれ、軽やかな心地になる。

星のや 東京

庭と平屋木造という伝統的な横の展開ではなく、地下2階・地上17階建の縦の空間に「日本旅館」の要素を展開した「星のや 東京」は、「塔の日本旅館」として間違いなく「日本旅館」の素晴らしさを再発見できる宿である。

星のや 東京

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