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2016 Jan. 3

そうだ京都へ行こう2016

「薩摩焼」は鹿児島県内で焼かれる陶磁器で、「竪野系」「龍門司系」「苗代川系」がある。主な窯場は姶良市の「龍門司窯」、日置市の「苗代川窯」、鹿児島市の「長太郎窯」である。

「白もん」と呼ばれる豪華絢爛な色絵錦手の磁器と、「黒もん」と呼ばれる大衆向けの雑器に分かれている。初期の薩摩焼においては豊臣秀吉の文禄・慶長の役の際に同行してきた朝鮮人が島津義弘の保護の下に発展させた。なお、2002年1月に国の伝統的工芸品に指定された。

薩摩焼

「白もん/白薩摩」は、日置市の旧東市来町の美山にある「苗代川窯」で焼かれていた陶器。藩主向けの御用窯で、金、赤、緑、紫、黄など華美な絵付を行った豪華絢爛な色絵錦手が主。元々は「苗代川焼」と呼ばれ、「薩摩焼」とは名称を異にしていた。

一方、「黒もん/黒薩摩」は、「白薩摩」に対して大衆用の日用雑器として焼かれていた陶器で、鉄分含有量が多い土を用いるため黒くなる。特に、「黒ヂョカ(茶家)」と呼ばれる素朴な土瓶は焼酎を飲むときに使用された。

黒薩摩

そして、幕末から昭和初期にかけての約半世紀だけ京都で作陶された「京薩摩」は、欧米への輸出用に、より伝統的な日本のデザインを意識して絵付けされた。これは、鹿児島で作られ海外で人気を博した「本薩摩」の流れを汲むもので、明治政府の輸出製品の花形であった。ちなみに、横浜や東京で絵付けされ、横浜港から輸出されたものは「横浜薩摩」と呼ばれた。

京薩摩

国内屈指の「薩摩焼」所蔵館である「清水三年坂美術館」所蔵の協力のもと、「薩摩焼」コレクションを一堂に展覧し、「京薩摩」の歴史や製造や絵付けの工程をパネルや実物を通して紹介する「清水三年坂美術館コレクション 細密美!明治のやきもの 〜幻の京薩摩〜」が、1月2日から1月31日まで「JR京都伊勢丹」7階に隣接する美術館「えき」KYOTOで開催されている。

清水三年坂美術館コレクション 細密美!明治のやきもの 〜幻の京薩摩〜

輸出用製品として作られた「京薩摩」は、同展の作品を含めほとんどが海外から買い戻されたものであり、「京薩摩」を中心にした各地の「薩摩焼」71点が一堂に揃う貴重な機会となっている。

展示されるのは「花蝶図輸花皿」「花鳥図花瓶」「菊唐草図ティーセット」「組輪文茶碗」「鶴花人物図花瓶 一対」ほか、江戸期の大名行列や町の往来の絵を四面に施した花瓶、六つ目や亀甲文を透かし彫りにした飾り壺などがラインナップ。また、来日外国人の避暑地として人気があった日光東照宮の唐門を書き入れた香炉や、お茶屋遊びの様子を描いた小箱など海外輸出を意識した品々も異彩を放っている。

「菊唐草図ティーセット」
「菊唐草図ティーセット」

「花見図花瓶」
「花見図花瓶」

なお、1月9日には「清水三年坂美術館」館長の村田理如、1月16日には「清水三年坂美術館」特別研究員の松原史を招いたギャラリートークが開催される。時間は各日午前11時からと午後2時からで、各回約30分となっている。

繊細な装飾の「美」が観る者を魅了すること間違いない。

京都に訪れる機会があれば、ぜひ泊まってみたい宿がある。四条エリアにある東山と鴨川を一望できる隠れ家ホテル「Bijuu」は180年続く老舗の京漬物村上重本店が2014年にグランドオープンした宿泊施設。

Bijuu
Bijuu
Bijuu

「Bijuu」という名前には、「美容」「美術」「文化美」「美食」など様々な「美を重ねる」という意味が込めらており、1日たった2組だけが宿泊できる特別な部屋が話題になっている。

まず、5階フロアを全面に使用した501号室のスイートルーム。室内に入ると一番に目を引くのが、リビングの中央にある錆石作りの開放的なバスタブ。

Bijuu
Bijuu
Bijuu
Bijuu

そして、ガラスで隔てられた向こうにはゆったりとしたベッドルームが続く。さらに、2人で広々と寝転がれる岩盤浴も室内に設置され、贅沢な設備と空間に満たされた114平米のワンルームとなっている。

Bijuu
Bijuu

建築から有田焼のデザインまで、幅広く活躍するデザイナー柳原照弘がリノベーションした内装は、「美を重ねる」というコンセプトにもとづき、もともと使用されていた素材を残しつつ、現代の木やレンガ、石といったモダンな素材を融合。また、ビオワインが充実したワインセラーや、毎度生けられる季節の花々、オリジナルブレンドの香り漂うアロマポットや、柳原が手がける有田焼の食器を設置するなど、部屋の隅々まで行き届いたこだわりが魅力となっている。あまりの心地よさに、一日中この部屋で過ごしていたいくらい贅沢な空間となっている。

Bijuu
Bijuu
Bijuu
Bijuu
Bijuu

そして、301号室のデラックスルームはシステムキッチンが完備され、長期滞在やファミリーにも最適なアパートメントタイプ。温かみのある漆喰の壁や、木素材が活かされた温もりある空間が落ち着く。

301号室
301号室
301号室
301号室

また、バスルームには、寝湯用のバスタブを採用。2メートルある浴槽に浅くお湯を張り浮遊浴をすることでリラックス効果を高めることができるという。

301号室

両部屋とも、宿泊プランには村上重本店の季節のお漬物を中心とした和朝食が用意される。また、宿泊客のリクエストに合わせ、洋食やビーガンの朝食にも変更が可能。

Bijuu
Bijuu

ホテルディレクターの玄津怜奈は、大学卒業後パリに留学。ファッション関係の仕事を経て、宿泊業に携わる事になった人物。

「Bijuuのスタッフには宿泊業界の経験者がいない。だからこそ、ユーザー目線に近い感覚を活かした、心地良い空間作りを心掛ける」とコメント。

「Bijuu」オリジナルのパジャマには、シルクのような光沢と肌触りが特徴の最高級コットン、マスターシードコットンを採用しており、部屋の細部にいたるデザインや色彩へのこだわりなどにファッション業界で培われた経験を活かしたホスピタリティが、多くのユーザーに広く受け入れられているようだ。

Bijuu

また、京都観光の際に立ち寄りたいチョイとシャレオツなカフェがある。

大正時代から昭和初期にかけ、イギリスのタイルの意匠を真似て日本で作られていた「マジョリカ・タイル」。西陣には当時の「マジョリカ・タイル」がそのまま残るカフェ「さらさ西陣」がある。

さらさ西陣

1つ1つ手作業で描かれていたタイルは当時は高級品で、その華やかな風情感から旅館や銭湯などに使用されたという。「さらさ西陣」は、大正時代から営業をしていた銭湯「藤森温泉」を外観はそのままにリノベーションしたカフェ。

さらさ西陣

内装は銭湯の趣を残しつつ、当時から浴室に使用されていた「マジョリカ・タイル」がぎっしりと壁一面に敷き詰められ、さらに奥に入ると蛇口の線や浴槽の跡が各所に残っている。この歴史的な建造物の中でホッコリと寛ぎながら、今は無き番台の場所や更衣室の場所などを想像するのも楽しい一時である。

さらさ西陣
さらさ西陣
さらさ西陣

なお、「さらさ西陣」では美味しいケーキとコーヒーの他、ランチやディナーメニューも充実。もともと銭湯だったこともあり、店内の天井も高く、ほどよい開放感が心地良い空間である。

さらさ西陣

そして、表情豊かな「マジョリカ・タイル」を眺めながら、美味しい食事を楽しむ事ができる。京都観光プランの1つにオススメしたいカフェである。

なお、東京でいながら「京都」の感性を味わえるイベントが、現在、伊勢丹新宿店本館4階「ラグジュアリーステージ」で開催されている。

服部源ト

京都の西陣で220年以上の歴史を有す「服部織物」と、京都を拠点に建築から家具の設計デザインまで幅広く活動するアートユニット「GENETO」によって2012年スタートした「服部源ト」。西陣織の特色の1つである「引箔」技術は、ひじょうに高度なテクニック。特に、「服部織物」では「金箔」「銀箔」「柄箔」「プラチナ箔」の技術を使い、緻密で立体的な織柄を生み出す。この素晴らしい技術を着物や帯にとどまらず、新たな展開で西陣織の魅力を発信しようと誕生したのが「服部源ト」である。

西陣

今回のコレクションでは、「空間のジュエリー」をコンセプトに、見る角度によって異なる表情を見せる西陣織の魅力を引き立てるため、天井から吊るすタイプのモビールと、置いて楽しむタイプのモビールがデザインされた。

服部源ト

天井から吊られた無数の傘が連なる「ASCENSION」は「上昇」を意味し、西陣織の小さな傘の先には黒水晶のビジューが揺れる。また、四角形や五角形の木枠に、黒地に銀、白地に金の西陣織がはめ込まれた「IRIDESCENCE」は、「玉虫色」を意味し、見る角度によって様々に表情を変える様を楽しむ事が可能。

ASCENSION
ASCENSION

IRIDESCENCE
IRIDESCENCE

そして、コンパクトに置いて楽しむタイプのモビール「MELODIOUSNESS」は、「心地よい旋律」を意味し、マットな質感と鏡面を組み合わせた木枠の中に西陣織がデザインされており、風が流れると共に静かに揺れる作りになっている。

MELODIOUSNESS
MELODIOUSNESS

ちなみに、伊勢丹新宿店では日本のよいもの、よいことを発信するキャンペーン「ジャパンセンスィズ(JAPAN SENSES)」を実施しており、1月12日まで館内各所で日本の伝統とモダンな感性が織りなす空間を楽しめる期間となっている。

 


 
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