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2015 Nov. 30

話題の邦画3作品

「男はつらいよ」をはじめ、「たそがれ清兵衛」「母べえ」「おとうと」「母と暮せば」など、50年以上にわたりその時代に生きる「家族」を撮り続けてきた山田洋次監督の「男はつらいよ」シリーズ終了以来20年ぶりとなる待望の喜劇映画「家族はつらいよ」が、2016年3月12日に公開される。

家族はつらいよ

この作品は、2013年に公開された「東京家族」のキャスト8人で喜劇を描きたいという山田洋次監督の強い希望で実現したという。結婚50年を迎えようとする平田夫婦、たまには妻に誕生日のプレゼントでも買ってやろうかと夫が欲しいものを聞いてみると、妻の答えはなんと「離婚届」…。

家族はつらいよ

一家に突然降りかかるまさかの「熟年離婚」騒動に子供たちは大慌て。山田洋次監督に「最高のアンサンブル」と言わしめたキャスト8名によるドタバタ劇が、ユーモアたっぷりに描かれる。

典型的な頑固親父で、現在の楽しみは「ゴルフ」と「酒」の周造と、優しく穏やかな母だが、積年の不満が限界を越え、離婚を決意する富子を、橋爪功と吉行和子の2人が「離婚危機」に瀕する熟年夫婦を見事に演じ、絶妙なコンビネーションを見せる。

また、平田家長男で頑固で理屈っぽく父親とぶつかることもしばしば。商社で働くサラリーマンの幸之助と三世代同居の家族を支える平田家の嫁史枝を、西村雅彦と夏川結衣が一家の世話役として熱演する。

家族はつらいよ
家族はつらいよ

そして、趣味は骨董品集め。仕事は妻の手伝いで妻に頭が上がらない少し頼りない夫の泰蔵と、平田家長女で税理士の気が強い成子の間には夫婦喧嘩が絶えない。林家正蔵と中嶋朋子がいい味を醸し出す。

妻夫木聡演じる、まだ実家暮らしを続けている平田家次男の庄太は気が優しく母と似て芸術家肌、また、蒼井優が扮する素直で愛想の良い庄太の彼女憲子は、福岡から上京し、現在は看護師として働いている。

家族はつらいよ

さらに、平田家以外のキャストに小林稔侍、風吹ジュンが「東京家族」を彷彿とさせるような役柄で出演するほか、笹野高史や笑福亭鶴瓶など、山田監督作品ではお馴染みの顔ぶれで豪華キャストが出演する。まさに、山田洋次監督20年ぶりの喜劇に、「山田組オールキャストが結集!」となる。

親と同居し、三世代の家族を支える長男夫婦、頼りない夫をもち夫婦喧嘩が絶えない長女夫婦、家族の緩衝材として実家暮らしを続けている次男カップルという、両親の離婚の危機を知った平田家の子供たちが、2人の仲をどうにか取り持とうとしながら奮闘する姿を、山田洋次監督の笑いあり涙ありで描かれている。

家族はつらいよ

山田洋次監督は製作にあたり、男であり、女であり、人間であることは、難儀で厄介なこと。しかし、何とか生きていかないといけない。そういう意味で、1969年から始まった寅さんシリーズに「男はつらいよ」というタイトルをつけた。今回はそれとまったく同じ意味合いで「家族はつらいよ」とネーミング。家族というのは、厄介で、煩わしくて、無くてもよいと思うこともあるが、やはり切り捨てるわけにはいかないもの。その辛さを何とか切り抜けていかねばならず、そのためにあくせく大騒ぎ。そんな滑稽で不完全な人間を表現したいと、作品に込めた想いを語る。

公開されたポスターヴィジュアルは、家に閉じ込められて所狭しと並ぶ一家のコミカルな表情が印象的な一枚。

山田監督の想いを受けて、厄介で煩わしくても切り捨てるわけにはいかない家族という関係性をイメージし、その表情は、辛くても、笑って泣いて、喧嘩して、なんとか1つの家で生きていこうと奮闘する姿を象徴したデザインに仕上がっている。

ポスターヴィジュアル

そして、クスリと笑わせるのは離婚届を口にくわえ苦い表情をした飼い犬「トト」。まさに「夫婦喧嘩は犬も食わない」という一家の大騒動が目に浮かぶ。

家族はつらいよ

また、ポスター下段には「男はつらいよ」を彷彿とさせる思い切った題字があしらわれ、最新喜劇作品への期待の高さを感じさせるポスターとなっている。

ちなみに、昨年には横尾忠則デザインによる「家族はつらいよ」のイメージポスターのビジュアルが公開されており、2013年に公開された「東京家族」でのY字路をモチーフにしたイメージポスターに次いで山田×横尾のコラボが実現した。

山田×横尾のコラボ

かつて、「男はつらいよ」シリーズで日本中に大きな笑いを届けた山田洋次監督が満を持して送る喜劇作品とだけあって、公開まで期待が高まる。誰もが共感し、笑い、そして涙する…そんな、日本中を笑いで包む喜劇映画の真骨頂がここに誕生した。

また、描かれるそれぞれの夫婦・カップルの夫婦像にはパートナーとの関係を見直すためのヒントも沢山詰まっているという。世の多くのカップルに捧げる作品である。

一方、2009年に「ゲッサン」で連載をスタートした石井あゆみ原作の「信長協奏曲」は、「織田信長が実は現代からタイムスリップした高校生だったら…?」という奇想天外な着想とそのポップな世界観から、累計300万部を突破する大ヒットコミックとなった。

信長協奏曲

2014年、開局55周年を迎えたフジテレビがこの原作をアニメ化、ドラマ化、そして、実写映画化する大型プロジェクトを発表。主人公の高校生サブローと織田信長の1人2役に挑む小栗旬を筆頭に豪華キャスト陣が集結し「月9」で放送されたテレビドラマは、時代劇でありながら幅広い層の視聴者に支持され、高視聴率を記録した。

信長協奏曲

そして、遂に2016年1月23日から公開される「サブロー信長」による冒険活劇が劇場版「信長協奏曲(コンツェルト)」で最終章を迎える。

信長協奏曲

もちろん、小栗旬をはじめ、柴咲コウ、向井理、藤ヶ谷太輔、水原希子、古田新、嶋政宏、山田孝之、濱田岳ら豪華キャストが再び集結。

信長協奏曲
信長協奏曲
信長協奏曲
信長協奏曲
信長協奏曲
信長協奏曲

安土城の完成と天下統一を目前にしたサブローは、ふと手にした教科書で、織田信長は間もなく死ぬ運命にあることを知ることになる。その運命に戸惑い、苦悩するサブローだったが、帰蝶や家臣たちの力強い支えのもと、運命に抗い、この時代で生き抜くことを誓うのだった。そして、愛する帰蝶との結婚式を計画するサブロー。場所は京都・本能寺。

信長協奏曲
信長協奏曲

時を同じくしてサブローの周りでは不穏な企てが水面下で動き出す。周囲から愛されるサブローに嫉妬心を抱く光秀。そして、積年の恨みを持ち、信長暗殺の機を伺う秀吉。

果たしてサブローは織田信長の歴史を変え、彼の望む平和な国を築くことができるのか?1582年の本能寺で彼を待ち受けるものとは一体何か…。「サブロー信長」の活躍はぜひ劇場で!

信長協奏曲
信長協奏曲


 
「信長協奏曲」予告

現在、公開されている劇場版「MOZU」で共演するビートたけしと西島秀俊の2度目の共演作品「女が眠る時」が2016年2月27日に公開される。「ニューヨーカー誌」に掲載されたヨーロッパで著名なスペイン人作家ハヴィア・マリアスの短編小説「While the Women Are Sleeping」を映画化した「女が眠る時」は、郊外のリゾートホテルを舞台に、自分の才能に限界を感じた作家の男が謎めいた男と若く美しい女のカップルに出会い、彼らの生活を覗き見るさまをサスペンスタッチで描かれた話題作。

女が眠る時

妻の綾とバカンスを過ごすため、美しい海辺に佇むリゾートホテルに訪れた小説家の健二は、処女作のヒット以来、良き題材に恵まれず自らの才能に苦悩していた。また、妻との関係も倦怠期を迎え、無気力な時間を過ごしていた。滞在初日、彼はプールサイドで初老の男が、若く美しい女の身体に表情1つ変えず、細部に至るまで丹念に日焼け止めクリームを塗っている様子に目を奪われる。

初老の男は佐原、若い女は美樹という名前だと知る。異様な雰囲気を醸し出す親子ほど年の離れた2人のことを時間が経つにつれ、脳裏から離れなくなっていく健二の執着は、彼らの姿を追い求め、次第には部屋を覗くまでに…。部屋には、美樹の体の産毛をカミソリで丁寧にそり、毎晩彼女が眠る姿を撮影し続ける佐原の姿があった。その後、自ら佐原に近づいた健二は、佐原と初めて言葉を交わしたものの、美樹が眠る動画を見せながら彼が放った「あの子の最後の日を記録しようと思って」という言葉に底知れない恐怖を覚える。危険を感じながらも好奇心をさらに掻き立てられた健二の行動は次第に常軌を逸し、部屋の中に忍び込むというストーカー行為にまで及んでいく。

ビートたけし

ある日、2人を追ううちに辿りついた居酒屋で、健二は怪しげな雰囲気を放つ店主により佐原と美樹の過去を知り驚愕する。その頃、佐原の美樹に対する執着は健二の想像をはるかに超える狂気へと向かっていた…。

若く美しい女性と男との異常な愛、変わっていく妻との関係、覗きへの罪悪感と止まらない好奇心、エスカレートしていく衝動…、郊外のリゾートホテルという閉塞的な場所で次第に自分自身を見失っていく男。「狂っているのは、自分なのか。それとも目の前の現実なのか…」女への執着が狂気へと変わっていく男の姿を、背徳的で官能的な映像美で描く、深淵なる魅惑のミステリー。

1993年の映画「ジョイ・ラック・クラブ」で映画ファンの注目を集め、1995年の「スモーク」で「ベルリン国際映画祭銀熊賞」に輝いた巨匠ウェイン・ワン監督が初となる日本映画の監督に挑んだ。

While the Women Are Sleeping

現場では、「OK!最高」と言ったのに「もう1回!」と言うから、あまり信用できないと、たけし流の称賛ともクレームとも取れる恨み節を受けたワン監督だが、外国映画として制作予定だったものを日本映画にしたのは、たけしに出てほしかったからで、「もう1人の監督(たけし)にいろいろ提案してもらって仕上がった」とこの作品に大いなる自信を見せている。

そのワン監督のもとに日本を代表する豪華な演技派俳優陣が集結。謎めいた初老の男・佐原を、自作以外での映画主演は「血と骨」以来、実に12年ぶりとなるビートたけしが熱演。佐原の行動に振り回されていく作家の健二を演じるのは、最近では映画やテレビ、CMにと超売れっ子の西島秀俊。また、ミステリアスなヒロイン美樹には、オーストラリア出身で国際派女優としての期待も高い忽那汐里。ほかにも、清水の妻綾役には「ブラッディ・マンデイ」に出演していた小山田サユリ、リリー・フランキー、新井浩文、渡辺真起子ら、国内外で活躍中の俳優が名を連ねている。

演技派俳優陣が集結

キャスト同様、製作陣も日本映画界を代表する精鋭スタッフが参加。プロデューサーは、イーサン・ホークが監督・出演しヴェネツィア国際映画祭に正式出品された映画「痛いほどきみが好きなのに」、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞受賞の「トウキョウソナタ」ほか、海外作品を多数手がけてきた木藤幸江。そして、ワン監督の要求するカメラワークを実現させたのは、映画「アントキノイノチ」「さよなら歌舞伎町」など多くの作品で撮影監督を務めた鍋島淳裕。また、2011年に癌告知を受けた父を追うドキュメンタリー「エンディングノート」で注目された監督の砂田麻美が、アメリカ人脚本家による英語脚本を監督の意志を汲む繊細な日本語の脚本に昇華するため協力参加している。

なお、イメージソングに選ばれた「FIXER」は、12月30日にリリースされる中森明菜のオリジナルアルバム「FIXER」の収録曲。

中森明菜

この楽曲の正式名は「FIXER -WHILE THE WOMEN ARE SLEEPING-」といい、サブタイトルには映画の原題が付けられている。また、中森がタイトルコールを担当する本作の予告編が、11月27日よりTOHOシネマズの52劇場にて「007 スペクター」の前に上映されており、全国の劇場では12月4日からスクリーンに登場する予定。

 
ビートたけし×西島秀俊の映画最新作「女が眠る時」製作発表会
 
※クロマチックハーモニカ奏者南里沙のアルバム「El Mundo/エル・ムンド」から収録曲「諸刃の剣」のPV完全版は、トップページに移動しました。


 
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