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2014.Nov 30

アートな都市トロント

約280万人の人々が暮らすカナダ最大の都市トロント。ビジネスやエンターテイメントの中心都市であることは言うまでもないが、人口の半数以上がカナダ以外の国で生まれた人々で占められたミックスカルチャーの街としても有名。

そんな国際色豊かなトロントで、10月4日の日没から翌5日の朝にかけて、今年で9回目となるアートの祭典「ニュイ・ブランシュ」が開催された。

ニュイ・ブランシュ

約100万人がトロントを訪れたアートイベント「ニュイ・ブランシュ」を直訳すれば「眠れない夜」を意味する。このオールナイトのアートイベントは、毎年10月の第1土曜日の日没から翌日曜日の明け方にかけて開催されるオールナイトのアートイベントとして、2002年からフランスのパリでスタートした。街全体を展示会場とすることで、街に新しい魅力を与える文化的なイベントとして成功し、トロントをはじめ、モントリオール、ブリュッセル、京都など、世界の各都市に広まっている。

ニュイ・ブランシュ
ニュイ・ブランシュ

「ニュイ・ブランシュ」の大きな特徴は、その名が示すとおり開催時間が夜だということ。世界400の地域からアーティストが集結し、120以上のアートプロジェクトがトロントの夜を彩る。美術館や市役所、公園や学校など、開催場所は市内全域にわたり、それをすべて無料で楽しむことができる。トロント市民もこの日ばかりは徹夜を覚悟。日没に合わせ、いつもとは少し違った雰囲気の漂う街へと繰り出していく。

日没に合わせ、いつもとは少し違った雰囲気の漂う街へと繰り出していく

トロントの「ニュイ・ブランシュ」は、2006年にスタートして以来、年々規模が拡大。これまでに1億7700万ドル以上もの経済効果を生み出しているという。

イベント会場がトロントの街全体に及ぶため、どこにどんな作品が展示されているのかが分かるように、公式パンフレットと地図が用意されるほか、スマホのGPS機能でナビゲート可能なサイトも開設されている。作品解説をヒントにお目当ての作品を目指すのも、近くに展示されている作品を見に行くのも各自の自由。それぞれが思い思いに楽しむことができる。

また、この日は地下鉄や路面電車も営業時間を延長して交通を確保、駐車場スペースも拡大し、公共の交通機関でイベントを楽しめるような仕組みも万全。

公共の交通機関でイベントを楽しめるような仕組みも万全

展示される作品の数々は、事前にキュレーターによって選ばれたあと、トロント市がアーティストに制作を委託して制作される。そこからさらにキュレーターによって選ばれた約30の作品が発表される他、「H&M」や大手ディベロッパーなどの企業が参加するスペシャルプロジェクト、トロントのアーティストやギャラリーが独自で参加するインディペンデントプロジェクトもあり、作品の総数は120以上。

作品の総数は120以上

最近はトロント全体がアートな街になりつつあり、様々な地区でシャレオツなスポットが目白押し。「ヴォーグ」が今年9月に選んだ「世界のクールな街15選」の2位に堂々とランクインしたのが、トロントのウエスト・クイーン・ウエスト地区。今ではトロントの流行発信地として有名な地区だが、以前は移民が多く住む地域として知られていた。

その地区がシャレオツ路線に進んだのは、2005年にNPO団体がこの地区のビルを借り上げ、部屋を探すことが難しいアーティストたちの住まいとして提供をはじめたのがきっかけという。アーティストが多く移り住むことにより、個性的なショップも増え、現在のような流行発信エリアへと変貌した。

流行発信エリアへと変貌
流行発信エリアへと変貌
流行発信エリアへと変貌

また、トロントの中心部からタクシーで約15分ほどにある、広い敷地内にアートギャラリーとまるでアートギャラリーの中にあるようなレストラン「ハウス・オブ・モーメンツ」がある。

このレストランを手がけた、自身もアーティストであるオーナーは、世界中の人種が暮らすトロントでは国際的な映画の撮影も盛んに行われているが、トロント市内では広い敷地を確保するのが難しいこともあって、映画関連の制作スタジオが多いニューヨーク州と国境を接しているこの場所に、きっとアートのニーズも多いと確信し、アートギャラリーを作ったという。

ハウス・オブ・モーメンツ
ハウス・オブ・モーメンツ

オーナーが、インドなど世界を旅するなかで集めたアンティークで囲まれており、まるでトロントにいるのを忘れてしまいそうな趣きで、料理はトロントでも人気のジャパニーズスタイル。

料理はトロントでも人気のジャパニーズスタイル

そして、「ゴーストバスターズ」を手がけたトロント生まれの映画監督イヴァン・レイトマンと知人が共同経営するレストラン「モンテチート・レストラン」も有名。店名になっている「モンテチート」とは、カリフォルニアにある地名にちなんでおり、提供されるのはカナダの新鮮な食材を使ったカリフォルニア料理。

モンテチート・レストラン

オンタリオ産のフレッシュな果物や野菜、メノナイトから仕入れた有機鶏肉など、その日の食材により毎日メニューを変えるほど徹底している。オープンキッチンのある1階と、2階のダイニングからなる店内には、至るところに当時を彷彿させる写真が飾られており、スタッフも俳優ではと思うほどの美男・美女揃いという。

そして、旅行の思い出にちょっとしたアート作品を購入したいな〜んて思ったときは、「セント・ローレンス・マーケット」がおすすめ。

セント・ローレンス・マーケット

200年以上前からトロント市民の台所として賑わうマーケットには、地元の新鮮な食材をはじめ、お土産になるような雑貨も充実。

地元の新鮮な食材をはじめ、お土産になるような雑貨も充実
地元の新鮮な食材をはじめ、お土産になるような雑貨も充実
トロント市民の台所として賑わうマーケット

週末には、マーケットの向かいにファーマーズ・マーケットも開かれ、農家のとれたて野菜やメープルシロップ、メノナイトが作るソーセージなど、色とりどりの食材が並ぶ。

広場ではアーティストたちが絵ハガキやイラスト、陶器などの作品を販売しており、美味しい食べ物を片手に、お気に入りのアートを探してみるのが旅の醍醐味ってやつかも知れない。

広場ではアーティストたちが絵ハガキやイラスト、陶器などの作品を販売
広場ではアーティストたちが絵ハガキやイラスト、陶器などの作品を販売
広場ではアーティストたちが絵ハガキやイラスト、陶器などの作品を販売

トロントはなかなか魅力的な街である。

 
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