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2014.Mar. 18
メタモルフォーズ

「エルメス(HERMES)」の2014年春夏広告キャンペーンのビジュアルは、見るものを惹きつける幻想的な世界観を展開。バリ島で撮影された今回のキャンペーンのフォトグラファーは、1938年生まれのハンス・シルベスター。ハンスは世界各国の自然や土地の文化を被写体にしたアーティスティックな写真で知られているカメラマン。

「エルメス(HERMES)」の2014年春夏広告キャンペーンのビジュアル
「エルメス(HERMES)」の2014年春夏広告キャンペーンのビジュアル

バリ島の森の奥深く、常に変化を続ける自然の中で、カラフルで美しいスカーフをまとった女性が、まるで「さなぎ」から出たばかりの蝶のように、今にも羽を広げようとしている。「さなぎ」が蝶に変わるように、素材を美しいオブジェへと変身させる「エルメス」。2014年の「エルメス」年間テーマは、ズバリ「メタモルフォーズ−変身」。

メタモルフォーズ−変身

お伽話の世界に入り込んだような神秘的な気持ちにさせてくれるこのキャンペーン画像は、「メタモルフォーズ−変身」のテーマのもと、「エルメス」がどのように変わっていくのか注目が集まる。

そして、銀座の街を彩る「メゾンエルメス」のディスプレイも「メタモルフォーズ - 変身」。今日までこの新たなテーマからインスパイアされた植松琢磨の作品、「新たな世界のために」が展示された。自然から生まれた素材を、職人の手によって美しいオブジェへと変身させる。そんな「エルメス」は、職人としての厳格さと創造の自由を調和させ、秩序を保ちつつも革新を遂げ続けてきた。植松琢磨は、そうしたブランドの姿勢を自然界のサイクルを持った生命体のようだと形容する。

メゾンエルメス

正面ウィンドウ左側でオレンジに煌めく馬の彫刻が象徴するのは、ブランドそのもの。そこから雲のようにふわりと浮かぶもうひとつの白い頭は、希望溢れる「エルメス」の未来像を示唆している。右側には、先史時代から人間とゆかりの深い鹿と宙に浮かぶ女性。共に同じ方向を向く2つの彫刻は、自然と人間が共生し次代へ向かう姿勢を表現。

銀座の街を彩る「メゾンエルメス」のディスプレイも「メタモルフォーズ - 変身」

様々なアーティストとの協力を経て、変化していく「エルメス」のウィンドウディスプレイ。年間テーマに合わせて繰り広げられる、エルメスの世界観を体現するアートワークの数々に今年も注目したい。

また、「メゾンエルメス」の10階にある40席のプライベートシネマ「ル・ステュディオ」では、4月のプログラムが「ジキル博士とハイド氏」に決定。

「ジキル博士とハイド氏」

テーマに「メタモルフォーズ―変身」を掲げた2014年度の「ル・ステュディオ」の第1弾上映として選ばれたのが、1932年のルーベン・マムーリアン監督作品「ジキル博士とハイド氏」。誰もが一度は読んだであろう、ロバート・ルイス・スティーブンソンの代表的な小説の1つを映画化した作品。

二重人格を題材にした代表的な小説であり、そのため「解離性同一性障害(旧称・二重人格)」の代名詞として、「ジキルとハイド」という語が使用されることも多々ある。

二重人格を題材にした代表的な小説

科学実験により、人間の魂を「善」と「悪」に分ける新薬を開発したジキル博士。薬を飲み、邪悪な怪物「ハイド」に変身しては夜霧に浮かぶロンドンの街を本能のままに彷徨。豪邸に住み、大学での講義も大盛況、美しいフィアンセとの将来も約束されたジキル博士の人生だったが、次第に「ハイド」という邪悪な人格が彼の高潔な精神を蝕んでゆく。ちなみに、「ハイド(hyde)」という名前は、「隠れる(hide)」に由来する。

次第に「ハイド」という邪悪な人格が彼の高潔な精神を蝕んでゆく

ストーリー展開の面白さはもちろんのこと、トーキー初期とは思えないカメラワークやリズムのよさ、特殊メイクと圧巻の変身シーンとともに、人の心に潜む闇の深淵、精神の葛藤の悲劇を描き出す。ジキル博士とハイド氏、一人二役を演じ切ったフレドリック・マーチはこの作品で第5回アカデミー賞主演男優賞を受賞した。

銀座の小さな映画館で古き佳き作品に酔いしれてみるのも悪くない。


 
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