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2014.Dec 3

アルゼンチン・タンゴ

タンゴはポピュラー音楽及びダンスの一形態で、カンドンベ、ミロンガ、ハバネラなど複数の音楽が混ざり合って19世紀半ばにブエノスアイレス、モンテビデオ近辺のラ・プラタ川流域で生まれたとされている。

タンゴはポピュラー音楽及びダンスの一形態

ちなみに、カンドンベとは太鼓を基にしたウルグアイの音楽様式で、ウルグアイの首都であるモンテビデオのアフリカ系住民によって開始されたとされており、ミロンガはアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル南部の音楽のジャンルで、その音楽によって踊られるダンスの形式をいう。

カンドンベとは太鼓を基にしたウルグアイの音楽様式

そして、ハバネラは特徴的なリズムを備えたキューバの民俗舞曲およびその様式で、キューバ音楽の最も古い大黒柱であり、世界中に送り出された最初のキューバ舞曲である。

ハバネラは特徴的なリズムを備えたキューバの民俗舞曲およびその様式

日本では、タンゴがヨーロッパに渡って変化したものを「コンチネンタル・タンゴ」または「ヨーロッパ・タンゴ」と呼び、それに対して元来のものを「アルゼンチン・タンゴ」と呼んで区別することが多い。

日本でのタンゴの普及は、昭和初期の戦前にアルゼンチンから一部移入がされたものの、その後、戦後にかけて移入したのは、むしろヨーロッパからムード音楽の一環としての音楽であり、いわゆる「コンチネンタル・タンゴ」の類であり、すなわち、競技ダンス・社交ダンス(ソシアルダンス)で用いられるジャンルのタンゴのための舞踊音楽であった。つまり、長らくタンゴと言えばマランドやアルフレッド・ハウゼといったイメージであった感は否めない。

アルフレッド・ハウゼ

ただし、いったん競技ダンスや社交ダンスが一般的に下火になってきた1980年代後半に、アメリカで成功した「タンゴ・アルヘンティーノ」公演が日本でも公開され、これ以降は「アルゼンチン・タンゴ」が普及するようになった。

タンゴ・アルヘンティーノ

「アルゼンチン・タンゴ」の演奏形態は、バンドネオンが用いられることが多く、また、非常に鋭いスタカートでリズムを刻むにも関わらず打楽器を欠くのが特徴といえる。バンドネオンは、アコーディオンに形が似ており同じ蛇腹楽器であり「アコーディオンの一種」という説もあるようだが、鍵盤はピアノのような形ではなくボタン型、これが蛇腹を挟んで両側についている楽器である。

1820年代にアコーディオンが発明され、改良して作られたアコーディオンの一種であるコンツェルティーナ(コンサーティーナ)の影響を受け、ドイツのハインリヒ・バンドが1847年に考案、野外での教会の儀式でパイプオルガンの代用として、また、ドイツの民俗音楽で使用されていた。

バンドネオン

基本的なバンドネオンは、蛇腹を押すときと引くときで別の音が出る、音階配置がほぼ不規則といった独特の構造を持っている。これは、発展途上で不足した音階を建て増しした歴史に理由があるという。このため、習得が非常に難しいことから「悪魔が発明した楽器」と呼ばれていた。ちなみに、中央のボタンは隣同士の特定のボタンを同時に押すと、アコーディオンの左手と同じように和音が鳴るようになっている。

なお、タンゴの独特の音楽性は複雑な構造を持つバンドネオンの運指、吸気リズムを自然に活かした演奏技術との相互発展の産物であり、単純に合理性で解釈できるものではないが、強靱なリズム体の上にロマンティックな、また、時としてメランコリックな主旋律が泣くのがタンゴの魅力である。

時としてメランコリックな主旋律が泣くのがタンゴの魅力である

そんなタンゴの歴史とその魅力に迫る展覧会「生命の旋律・躍動のリズム?アルゼンチン・タンゴ」が、2015年1月1日から7月12日までの期間、東京・信濃町の民音音楽博物館で開催される。

東京・信濃町の民音音楽博物館

19世紀半ばにブエノスアイレスの下町で産声をあげた「アルゼンチン・タンゴ」は、当時、低級な音楽とされていたが、キューバや欧州の音楽、アフリカの舞踊が入り混じる独特な音楽文化は、130年の歩みの中で国を超えて愛される世界文化へと発展した。

この展覧会では、劇的な発展を遂げた「タンゴ」の歴史の紹介、1970年から毎年開催されている「民音タンゴ・シリーズ」に出演したマエストロたちから贈られた数々の記念品や、同博物館所蔵の楽器の展示など、普段日本では見られない貴重な資料が公開される。

来年は「アルゼンチン・タンゴ」がブームになるかも知れない。何といってもダンスとしての「アルゼンチン・タンゴ」は、セクシーで妖しい魅力がプンプン。ホント、ステキである。

セクシーで妖しい魅力

 
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