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2013.Oct. 21
アイビースタイル

昔から個人的にどうも苦手なファッションがある。それが、アイビールックだ。思い込みかも知れないが、どうも似合わない気がしてならない。ボタンダウンシャツにチノパンというスタイルも嫌いではないが、どうしてもヨーロッパ系不良オヤジ風の着こなしになってしまうようだ。

そもそも「アイビー」とは、1964年に東京のみゆき通りに集まった流行に敏感な若者「みゆき族」の間で発生した服飾文化で、後にトラディショナルなファッション分野として定着したスタイルのことである。これは、アメリカ東海岸の名門私立大学グループ「アイビー・リーグ」の学生の間で広まっていたファッションを、当時の日本の若者は洗練されたイメージとして捉え、比較的上品に着こなすトラディッショナルな風俗として広まった。

当時の日本の若者は洗練されたイメージとして捉え、比較的上品に着こなすトラディッショナルな風俗として広まった

特に、当時一世風靡した「VAN」の石津謙介がこのファッションの提唱者としてこの流行文化をファッションジャンルの一部として定着させたことは有名なお話。

「アイビー」にはニューイングランドのエリート学生が着こなす優等生的なスタイルからアメリカ的バンカラ風にそれを着崩したスタイルまで幅広いファッションが存在するが、。中でも象徴的なアイテムとして、三つボタンブレザー、ボタンダウン・シャツ、コットンパンツ、コイン・ローファーなどが有名。

「アイビー」にはニューイングランドのエリート学生が着こなす優等生的なスタイルからアメリカ的バンカラ風にそれを着崩したスタイルまで幅広いファッションが存在

10月30日から11月4日の6日間、アイビーファッションをフィーチャーしたイベント「ザ・アイビースタイル・エキシビジョン(THE IVY STYLE EXHIBITION) BY F.I.T」が伊勢丹新宿店本館7階催物場で開催される。

「ザ・アイビースタイル・エキシビジョン(THE IVY STYLE EXHIBITION) BY F.I.T」が伊勢丹新宿店本館7階催物場で開催される

このイベントは「ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)」が所蔵するアイビーファッションのアーカイブの展示を始め、本イベントのために手配した伊勢丹エクスクルーシブ・モデルの販売やトランクショー、トークセッションが行われる。

「FIT」は、モーティマー・リターが服飾美術界にも「MIT(マサチューセッツ工科大学)」のような学校が必要だと、「MIT」の名称に由来させて1944年に設立したアート、デザイン、テクノロジーの分野の学科を擁する「ニューヨーク州立大学(SUNY)」の一校である。

ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)

ニューヨーク市マンハッタン区にあるモダンアート系単科大学には44の専攻があり、短大、大学、大学院が存在する。「FIT」は1957年に正式に認可され、27丁目の7番街にキャンパスを構え、1977年までには6つの校舎を増築しつつ現在へ至っている。

「FIT」は、モーティマー・リターが服飾美術界にも「MIT(マサチューセッツ工科大学)」のような学校が必要だと、「MIT」の名称に由来させて1944年に設立

現在、10,000人以上の生徒数を数え、メンズウエアー学科やコスメティック&フレグランスマーケティング学科などを擁し、ファッションマーチャンダイズマネージメント、ヴィジュアルプレゼンテーション&エキシビション、トイデザイン学科などは全米でも唯一の専門学科である。ちなみに、世界的デザイナーのカルバン・クラインも「FIT」の卒業生。大学内の9つの建物には、教室、テレビ&ラジオ局、実験室、デザイン作業ラボ、エキシビションを行うギャラリーを包括する教育設備を備える。また、構内にある「John E. Reeves グレイトホール」はファッションショーや会議、講義、その他様々なイベントなどに使用されており、また、「the Haft Auditorium」と「the Katie Murphy Amphitheatre」という2つの大規模なシアターも備えている。

the Haft Auditorium
the Katie Murphy Amphitheatre

「The Shirley Goodman Resource Center houses FITミュージアム」と図書館、メディアサービスでは、歴史学、社会学、テクノロジー、アート、デザイン、文学、国際学術誌、雑誌類などの書籍が豊富に扱われ、著名なデザイナー、メーカー、製造業者達から寄付されたスケッチや工程記録など貴重な製造過程のファイルや映像記録なども所蔵する。

美術館には18世紀以降のアーカイブ5万点超が所蔵されており、そして、「FIT」が運営するFIT美術館で昨年9月から約半年にわたって行われた「アイビースタイル展」に出展された「FIT」アーカイブからのスタイリングが海外で大々的に披露されるのは今回が初めてのこと。本邦初公開となる14体のスタイリングには、戦時中のスーツやフォーマルウェア、東部8大学のブレザー、エイジレスなカジュアルウェアがラインアップされる。

戦時中のスーツやフォーマルウェア、東部8大学のブレザー、エイジレスなカジュアルウェアがラインアップされる

また、アメリカ3大スーツファクトリーの1つ「マーティン・グリーンフィールド(Martin Greenfield)」による日本初のトランクショーや、「バンド オブ アウトサイダーズ(BAND OF OUTSIDERS)」を始めとした15のブランドのエクスクルーシブモデルも登場。そして、日本人の体型にフィットするようにサイズを調整した「ブルックス・ブラザーズ(Brooks Brothers)」のエクストラショートのジャケットやスーツが世界初披露となる他、初期モデルを復刻させる「リーガル(REGAL)」やメイドインU.S.Aで復刻した「グルカ(GHURKA)」の限定復刻が販売される。

会期中は「アイビー」に縁のある有識者のトークセッションや、ユーザー参加型のブレザースタイル撮影会など多彩なイベントも開催される。11月2日14時からは、ネクタイを通して日本のアイビーシーンを牽引してきた慶伊道彦氏とテーラーケイド主宰の山本祐平氏、また、4日12時からは、「Free&Easy」ブレザー選手権でもお馴染みのテリー伊藤とジャパンアイビーの重鎮・くろすとしゆき氏のトークセッションが行われる。

「Free&Easy」ブレザー選手権でもお馴染みのテリー伊藤

さらに、ニューヨークのライフスタイルストア「フリーマンズスポーティングクラブ」のカフェ&バーも会場内にオープンし、オリジナルドリンクなどが提供される。

アイビーファッションの信奉者には興味津々のイベントであることは間違いない。


 
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