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2013.May. 7
リカルド・ティッシ

「ジバンシィ (GIVENCHY)」 は、ユベール・ド・ジバンシィが1952年に設立した、ご存知フランスのファッションブランド。現在は、ディオールやフェンディなどと同じLVMH系列に属し、LVMHグループではディオールに次いで2番目に大きい部門となっている。

有名な顧客に、オードリー・ヘップバーンやギネス家、グリマルディ家やケネディ家がある。ヘップバーンが「麗しのサブリナ」「おしゃれ泥棒」「シャレード」「ティファニーで朝食を」などの映画でジバンシィによる衣装を着用したことは有名なお話。また、ケネディ家の女性たちがジョン・F・ケネディ第35代アメリカ大統領の葬儀において、ジバンシィのデザインした喪服を着ていたことも有名である。

ティファニーで朝食を

2005-2006A/Wシーズンのオートクチュール・コレクションより、ジバンシィのクリエイティヴ・ディレクターに就任したのがリカルド・ティッシ。1975年にイタリアのコモに生まれたティッシは、有名デザイナーを多数輩出する伝統校として知られるセントマーチンズに入学。

通称セントマーチンズと呼ばれる「ロンドン芸術大学セントラル セントマーチンズ カレッジ オブ アート アンド デザイン」は写真、映画ビデオ、美術、ファッションなどを教える学校。ちなみに、ロンドン芸術大学はいくつかの学校を持ち、その1つが「セントラル セントマーチンズ カレッジ オブ アート アンド デザイン」。セントマーチンズはロンドン中心部、トラファルガー広場の近くにあり、コースは映画・グラフィック等7つのジャンルに分かれており、その1つが「ファッション&テキスタイル」。ファッション業界でセントマーチンズはこのコースの事である。

ファッションデザイナーを志すものがもっとも憧れ、もっとも競争率が高いセントマーチンズが脚光を浴びたのは、1995年に起こったファッション界のロンドン旋風のとき、ジョン・ガリアーノがジバンシィのデザイナーに大抜擢されたことに始まる。その後もアレキサンダー・マックイーンがジバンシィのレディースラインオートクチュールとプレタポルテの主任デザイナーに就任、セントマーチンズ卒業後に、リカルド・ティッシがクリエイティヴ・ディレクターに就任したのも自然の流れなのかも知れない。

リカルド・ティッシ

リカルド ティッシは、コレクションのカラーに黒や白を使用する。しばしばその特徴として、ダークでゴシックタッチ、ミニマルなファッションと評される。しかし、2007年のニューヨークタイムズのインタヴューで、ティッシは自身のファッションに関し、「ゴシックと表現されることもあるが、ゴシックだとは思っていない。ロマンティックで感覚的なタイプのものが好きである」と語っている。

彼のデザインはコンセプチャルな傾向があり、多くのファッション誌がそのコレクションを絶賛する。ジョン ガリアーノ、アレキサンダー マックイーン、ジュリアン マクドナルドなどの歴代ジバンシィのデザイナーと比較しても、ティッシの評価は高く、ブランドを見事に甦らせたと言われている。

2008年には、マドンナのワールドツアーにティッシがデザインしたコレクションが選ばれ、また、ケイト・ブランシェットなどの女優が映画際などのレッドカーペットで、リカルド ティッシによるジバンシィのドレスを身にまとっている。

今年の2月には、リカルド・ティッシが監修したリップスティック「ルージュ・ジバンシィ」が「パルファム ジバンシィ(PERFUMS GIVENCHY)」より発売され話題になった。

リカルド・ティッシが監修したリップスティック「ルージュ・ジバンシィ」

ヒアルロン酸マイクロボールが唇の上を滑らかに転がり、瞬時に美しいカーブを実現。ひと塗りで、プロのメイクアップアーティストが丁寧に時間をかけてメイクしたような唇を演出する。ベルベットのような質感を保ちながら、何もつけていないように柔らかな密着性が特徴。乾いた感じのしないツヤのあるセミマットで、ヌーディーカラーから大胆で官能的な色まで全12色のバリエーションで展開されている。

ーディーカラーから大胆で官能的な色まで全12色のバリエーションで展開

パッケージをティッシがオートクチュールアクセサリーとしてデザイン。外側には本皮の黒いラムスキンを採用し、ハンドル部分にはファッションやレザーグッズに使われるスタッズが使用されている。ジバンシィらしいミニマルなシルエットで、キャップ部分とリップスティック本体にはブランドを象徴する「4G」ロゴが刻印されているのも印象的。

また、ティッシと共にフレグランス「ダリア・ノワール(DAHLIA NOIR)」をクリエイトした調香師フランソワ・ドマシーと、「ジバンシィ・ル・メイクアップ」を手がけるニコラ・ドゥジェンヌが香りを担当。カシス、ミモザ、ベンゾインが織りなすパウダリーの香りが誕生した。そして、広告ビジュアルにはティッシのミューズであり友人のトップモデル、マリアカルラ・ボスコーノが登場する。

5月2日にはパリ・オペラ座でティッシが衣装デザインを手掛けた、バレエ「ボレロ」が初演を迎えた。ティッシがデザインした衣装は、ヌードカラーのチュールのボディースーツに、刺繍で骸骨の模様の描かれている。「ボレロという作品は激しさそのもの」と語る彼は、「ダンサー達が裸で踊っているように感じられるようなデザインにした。自分自身の内面にある闇の部分とロマンティックな側面という二面性を表現した」とコメントしている。

ティッシがデザインした衣装は、ヌードカラーのチュールのボディースーツに、刺繍で骸骨の模様の描かれている

これまで何度も劇やオペラの衣装を頼まれてきたティッシだが、実際にデザインを手掛けたのは今回が初。オペラ座の国立バレエ団のディレクター、ブリジット・ルフェーブルからの直々の依頼を、イタリア人として誇りに思ったこと、現代アーティストのマリーナ・アブラモヴィッチら才能ある個性的なクリエーター達が、今回の公演に関わっていることなどが決め手となったという。

ティッシがデザインした衣装は、ヌードカラーのチュールのボディースーツに、刺繍で骸骨の模様の描かれている
これまで何度も劇やオペラの衣装を頼まれてきたティッシだが、実際にデザインを手掛けたのは今回が初

今回の「ボレロ」のセットデザインはマリーナ・アブラモヴィッチ、振り付けはシディ・ラルビ・シェルカウイとダミアン・ジャレが担当。マリ=アニエス・ジロ、オーレリ・デュポン、ジェレミー・ベランガール、ヴァンサン・シャイエらオペラ座のスターダンサー達が出演する。なお、公演期間は6月3日までだがチケットは完売されている。

リカルド・ティッシの活躍がこれからも注目される。

 
Le Rouge Givenchy

 
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