プラダ。

以前、「プラダを着た悪魔」という映画が公開された。2006年の事である。ジャーナリスト志望の主人公が悪魔のような最悪の上司の下で実直に頑張る姿を描いた物語であり、主人公の姿が同世代の女性らから支持を受け、ローレン・ワイズバーガーによって書かれた著書はベストセラーとなり、27か国語に翻訳された。

著者のワイズバーガー自身も主人公と同様、「ヴォーグ」で編集長アシスタントをしていた経歴を持っている。この作品は彼女の実体験が「ネタ」になっているとされ、同誌のカリスマ編集長アナ・ウィンターが作中に登場する編集長のモデルであるという噂がある。

プラダを着た悪魔

著者はその噂を否定しているが、ファッション界でのアナ・ウィンターの君臨ぶりは、鬼編集長として噂になるほどである。また、編集長の移動手段は運転手付きリムジン、そして、アシスタントを数名を従え、お洒落な個室を執務室に持つなど、日本のファッション雑誌の編集長では考えられないような待遇も描かれている。

映画の編集長ミランダ役には、アカデミー賞女優のメリル・ストリープが演じ、自身14回目となるアカデミー賞候補となった。主人公のアンドレア役には、現在公開中の「レ・ミゼラブル」でファンティーヌを演じているアン・ハサウェイがコミカルな演技を披露。ちなみに、去年公開の「ダークナイト ライジング」では、セクシーでグラマーな女怪盗「キャットウーマン」役で出演している。衣装は「セックス・アンド・ザ・シティ」のパトリシア・フィールドが手掛け、出演者の着ている「プラダ」などの衣装が話題になったことは言うまでもない。日本でのプロモーションでは、演者だけでなく、衣装担当として高い評価を受けたパトリシア・フィールドも来日した。なお、映画のプロモーションで衣装担当者が来日するのは稀である。

プラダを着た悪魔

「プラダ」は、ミラノに本社を置くイタリアを代表する高級ファッションブランドであり、同ブランドを展開するアパレル企業。メインブランドのほか、レディース限定の姉妹ブランドとして「miu miu(ミュウミュウ)」を展開。自社ブランド以外に、イギリスの靴メーカー「チャーチ」「CAR SHOE」を系列配下におき、かつては、「ジル・サンダー」や「ヘルムート・ラング」も系列配下にあった。

1913年に創業者のマリオ・プラダ がミラノに皮革製品店「 Fratelli Prada(プラダ兄弟)」を開業し、世界から珍しい素材や質の高い皮を集めて製品を作っていた。しかし、1958年にマリオ・プラダが死去。マリオの娘がビジネスを引き継いだものの、ブランドは凋落し、長く低迷期が続いた。その後、1978年にマリオの孫娘であるミウッチャ・プラダがオーナー兼デザイナーに就任。マリオが旅行用カバンに用いていた工業用防水ナイロン素材「ポコノ」製のバッグが開発され、日本やアメリカなどで人気となった。1996年には逆三角形のロゴプレートを付けた「ポコノ」製品が各種発表され、事業規模は拡大。

2000年代以降は、財政難から1990年代に買収したブランドの多くを手放しつつも、携帯電話のデザイン、世界各国の伝統工芸品を素材として起用した「メード・イン・プラダ」シリーズなど、商品展開の幅を広げている。

プラダの携帯電話

ちなみに、姉妹ブランドである「ミュウミュウ」は、ミウッチャ・プラダの幼少時代からのニックネームが語源だという。現在の「プラダ」グループの総帥はミウッチャ・プラダの夫であるパトリッツィオ・ベルテッリ。ニューヨーク、ビバリーヒルズ、東京の南青山の世界3か所には旗艦店「エピセンター・ストア」がある。

そして、「プラダ」の2013年春夏ウィメンズ広告に、ニューヨーク出身のフォトグラファー・スティーヴン・マイゼル撮影の11名のモデルが起用された新作作品が公開された。

「プラダ」の2013年春夏広告は、「究極のシンプリシティ」がテーマ。全身とクローズアップしたショットを組み合わせた広告で、女性の二面性が表現されている。ヴァネッサ・アクセンテやサスキア・デ・ブロウのほか、イリーナ・クラフチェンコ、エヴァ・ハーツィゴヴァ、ソンヒ、イレーヌ・ヒエムストラ、カースティン・オーウェン、サーシャ・ピヴォヴァロヴァ、アンバー・ヴァレッタ、マールチェ・ヴェルホエフ、ラケル・ジマーマン、全11名のモデルの個性を通じて、「プラダ」が描くモダンな女性らしさを発信する。

「プラダ」の2013年春夏広告は、「究極のシンプリシティ」がテーマ
「プラダ」の2013年春夏広告は、「究極のシンプリシティ」がテーマ
「プラダ」の2013年春夏広告は、「究極のシンプリシティ」がテーマ
「プラダ」の2013年春夏広告は、「究極のシンプリシティ」がテーマ

ミウッチャ・プラダは、2013年ウィメンズコレクションで現代女性の思いや思想、夢を表現。女性の心理を象徴するものとして、デコラティブな「花」のモチーフをプリントやパッチワーク、アップリケなどで散りばめている。また、日本をインスピレーションにデザインされたレザーのアンクルソックス型のシューズやローヒールサンダル、プラットホームサンダルなどが登場し、話題になっている。

また、シルクサテン地のドレスのパネルプリント、ラップドレスのアップリケ、アイウエアの装飾などに繰り返し使われる花のモチーフ。そこから感じられるのは少女らしさや派手さではなく、自信溢れる個性、そして「プラダ」が解釈する新しい女性の姿である。

余談ながら、フォトグラファーのスティーヴン・マイゼルは、いわずと知れたファッションカメラマンのトップ中のトップカメラマン。天才肌のカメラマンで、トレードマークは、長い髪の毛とサングラス。1954年ニューヨークのクイーンズ出身。パーソンズ・スクール・オブ・デザインでファッション・イラストレーションを学ぶが、イラストに限界を感じ、80年代の初めにファッションフォトグラファーの道へ進む。

ファッション・フォトグラファーの第一人者として長年「VOGUE」誌のカバーを手がけたり、「カルバン・クライン」「ドルチェ&ガッパーナ」「プラダ」「ヴェルサーチ」などの広告キャンペーンを手がけている。

「VOGUE」誌のカバー

彼の知名度をあげたのは、友人であるマドンナの写真集「SEX」。また、彼はモデル発掘に才能があり、90年代初頭には、ナオミ、クリスティー・ターリントン、リンダ・エバンジェリスタなどをスーパーモデルへ育て上げた。また、ファッション撮影が中心で、アートな個展や彼自身の写真集などはないが、広告や雑誌の一部でしか彼の作品が拝めないのも天才カメラマンのこだわりなのだろうか。

<< Back Next >>
 
 
 
ホームアバウトレンズプロデュースプロモーションプランニングバックステージサイトマップサイトポリシー
 
sw s