特別版バービー人形。

1945年に東欧系ユダヤ人のハロルド・マトソンとエリオット・ハンドラーらによって設立されたマテル社は、「バービー人形」で有名な会社である。「バービー人形」は、創業者の1人がスイスへ旅行へ行った際に、娘のバーバラへの土産に購入した、極端なプロポーションを持ったセクシードール「リリ」が元になっている。

極端なプロポーションを持ったセクシードール「リリ」が元になっている。

初期の「バービー人形」は、日本で製造された。当時、日本はアメリカに比べ人件費が安く、繊維産業が盛んであり、人形本体と衣装とをまとめて発注できるという理由から、日本での生産が決まったようだ。山一商店、中嶋製作所、セキグチなど、現在でも着せ替え人形製造の中心を担う企業が「バービー人形」の生産に携わっていた。なお、1970年代以降は、東南アジアでの生産にシフトしている。

「バービー人形」は、1959年3月から発売が開始された。アメリカで売られていた着せ替え人形が、2ドル台だった中で、当時「安かろう悪かろう」と言われていた日本製の人形に3ドルの価格で販売したために物議をかもしたようだ。おもちゃ業界からは否定的な目で見られていたが、ファッショナブルで精巧な人形は子供たちに支持され、爆発的に売れたという。

バービーの本名はバーバラ・ミリセント・ロバーツ。年齢は17歳である。スキッパー、ステイシー、ケリーという姉妹がいて、バービーのボーイフレンドはケン。

バービーのボーイフレンドはケン

1967年には、腰をひねることができる「ツイスト・バービー」にモデルチェンジし、1980年代半ば以降は、大人のコレクター向けの商品が発売されるようになった。現在までの全世界での販売数は、10億体を超えるといわれている。

マテル社の「バービー人形」は、1962年から日本で販売されたが、当初から日本国民の嗜好の違いから販売不振が続き、メイクアップや髪の色、衣装のデザインなどを日本人好みのものに変えるといった涙ぐましい努力が続けられた。1966年のビートルズ旋風に乗り、多少売れ行きを伸ばしたが、翌67年の「リカちゃん人形」の発売によって打撃を受け、日本市場から撤退した。1970年代後半に再上陸を果たすが、やはり日本ではなかなか「バービー人形」の感性が受け入れられなかった。日本人向けバービーの売り上げを何とか伸ばそうとしたマテル社は、タカラと提携。1982年に「バービー(タカラバービー)」を販売した。つまり、タカラは一時「リカちゃん」と「バービー」という、日本の着せ替え人形の代名詞とも言える人形を両方とも販売していたことになる。しかし、1986年に提携は解消され、「バービー」は「ジェニー」として販売されることになった。

タカラとの提携解消に伴い、マテル社はバンダイとの合弁会社 「ma-ba(マーバコーポレーション)」を設立。マーバコーポレーションから「バービー(マーババービー)」が発売されたが、「ジェニー」と顔立ちが酷似しているとの理由で提訴される。その後、アイプリントを変更して販売を続けたが、1989年に販売不振から「マーババービー」の販売は終了した。1989年に、バンダイから「マーババービー」のフレンドドール、「ソフィー」を流用した「バービー(バンダイバービー)」が発売されるが、1991年には販売終了した。それ以降は、マテル社のバービーがバンダイから販売されていたが、2003年末をもってバンダイとの業務提携が解消。現在は、マテル社の日本法人マテル・インターナショナルからバービーが販売されている。

メイクアップや髪の色、衣装のデザインなどを日本人好みのものに変えるといった涙ぐましい努力が続けられた。

少し大人っぽい雰囲気を醸し出す「バービー人形」は、やはり、日本の土壌では馴染めないのかも知れないが、世界的には大人気。種類も豊富だ。

■ピンクボックス
子供のおもちゃとして通常販売されている「バービー人形」。ピンク色の箱に入っていることから、「ピンクボックス」「ピンク箱」の愛称で呼ばれている。

■コレクタブルバービー
1985年ごろから販売されている、コレクション向けの「バービー人形」。有名ブランドとのコラボレーションモデルや、映画を題材としたモデルが存在する。

「ピンクレーベル」
生産数50,000体以上。通常の小売店で販売されるコレクタブルバービーのレーベル。

「シルバーレーベル」
生産数25,000体以上50,000体未満。

「ゴールドレーベル」
生産数25,000体未満。とくに選ばれた小売店のみで販売される。

「プラチナレーベル」
生産数1,000体以下、または、限定一体のドールにつけられるレーベル。

■ファッションモデルコレクション (F.M.C)
シルクストーンと呼ばれる独特な素材を使ったビンテージフェイスの人気シリーズ。

■ビンテージリプロ
コレクター達のリクエストや過去のビンテージ期の復刻版など。

■ワールドカルチャー
世界各国の民族衣装や文化を取り上げたもの。

ちなみに、去年オンラインで発売した「タトゥー入り」の限定版バービー人形は物議を醸した。ピンクの髪と、肩から首にかけて彫られたタトゥーが特徴で、価格は50ドル。大人のコレクターを狙った商品で、すぐに売り切れとなったが、子どもを持つ親からは「人形の影響で、子どもがタトゥーを入れたがるのでは」と、不安感からの否定的な意見も多かったようだ。

「タトゥー入り」の限定版バービー人形

なお、マテル社は、以前にも腹部に蝶のタトゥーが入った「バービー人形」を販売していたが、保護者からの反発で生産は停止している。

そのマテル社からコレクター垂涎のモデルが5月に販売される予定だ。2011年4月29日に開催された、英国ロイヤルウエディングの挙式1周年を記念して制作された「ウイリアム王子とキャサリン妃」モデルのドールセットである。

ウイリアム王子とキャサリン妃のバービー人形「William and Catherine ROYAL WEDDINGR Giftset(ウイリアム&ケイト ロイヤルウェディングギフトセット)」は、ロンドン中心部のウェストミンスター寺院で開催された結婚式で、夫妻が着用した衣装をもとに制作されている。

ウイリアム王子とキャサリン妃のバービー人形「William and Catherine ROYAL WEDDINGR Giftset(ウイリアム&ケイト ロイヤルウェディングギフトセット)」
William and Catherine ROYAL WEDDINGR Giftset

ウイリアム王子をイメージして作られたドールは、英国の伝統的な赤い軍服を着用。キャサリン妃のドールは、サラ・バートンが衣装制作を担当したエレガントなホワイトのドレスに加えて、カルティエのティアラや、高級ジュエラー「ロビンソン・ペラム・ジュエラーズ」がデザインしたイヤリングなど、細かなディティールまで忠実に再現されている。

価格は12,600円(税込)。コレクターライン「バービー・コレクター」取り扱い店舗にて、数量限定で販売されるとのことだ。

余談ながら、ロイヤルウエディングでキャサリン妃が着用したウエディングドレスは、2011年7月23日から10月3日まで、バッキンガム宮殿で一般公開が実施された。来場者は60万人を超え、入場料などを含めたバッキンガム宮殿の収益は約12億円にのぼったようだ。さすが!

「William and Catherine ROYAL WEDDINGR Giftset」は数量限定だけに、バービーマニアの争奪戦は、きっと熾烈なものになるだろう。

 
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